11/29 (金)
数学辞典草稿殴り書きほか、やろうと思っていたことは1件をのぞいて終了。 (その1件は web 書き込み提出書類で、netscape 暴走のせいで作業を中止した ため。Mac でもひどいめにあっているようで、Windows を使って書くように、 とのmail がまわってきた。IP address が学内に制限されているために、 昨年までだったらこの段階で書類のだしようがなかった。全然、 作業時間の省略になっていない。酷い話しだと思う。)
都立大集中講義の準備を明日あさっての二日であらかたしあげないといけない。 日曜午前は連続体講義の準備だし、休日ぶっとーしの準備になるかな。月/火 は講義や会議やその他で補足程度のことしかできないから、今日寝るときから 構成を練ろう。
11/28 (木)
Granick のセミナー:3つの話題のそれぞれにみるべき点があったが、とくに、 nano-fluid での境界条件の制御の実験は印象的だった。セミナーの後で聞いたが、 (理論家なら最初に考えるだろう)境界条件の変更だけではその実験は説明できない らしい。本当にそうなら、ゆっくり考えても面白いかも。[流体と分子の境界領域 の精密実験でヒットをとばしつづけている彼の実験に着目する理論家は 少なからずいるだろうが。] 接触の力学的デザインは、まさしく今、熱伝導系で 試行錯誤していて、(SSTと切り離しても)面白そうな題材もいくつかたまってきた ので、なんかそそるものがある。
ハミルトン系による熱流誘起浸透圧:セミナー前に1時間とれたので、密度をかえた プログラムを走らそうとするが、嫌になるくらい面倒で、かつ、動かない。つぎはぎ だらけのプログラムなので、ポイすることにした。モデルの基本配置が 確定したので第I部完とし、第II部は2週間後に再開する。2週間後に 汎用性/拡張可能性/計算効率を考えながら、プログラムを最初から書きなおそう。
11/27 (水)
守らないといけない〆切はストレスの原因になるので、とにかく早めに草稿を つくってしまうことが大事だ。数学辞典担当部分(熱力学)の下書きを半分くらいまで 書いた。あと数時間まとまってどこかで確保できたら残りの半分をかけるだろう。 [手帳をみると、それはいつだ? という気もするが...下書きをつくったあとが 大変なんだし。] 担当項目の内容については、 さすがに、どこから構成していったら、どこで説明が面倒になるか、 というのは何もみなくても完全に頭に入っているつもりである。 しかし、2ページの枠内で簡潔にかつ辞典としての役割を担うように書くという のは簡単でない。現在の版で書かれている説明はほとんど使えないと判断したので、 ほぼ全部書き直すことになる。また、当然のことだが、教科書の構成や記述とは 異なったものになる。
ハミルトン系による熱流誘起浸透圧: 定常熱伝導と平衡系が接するとき、 どんなにうまくやってもεくらいの熱流の洩れが生じる。ε=0 というのが Sasa-Tasaki の前提だが、実際はそんな理想的にはならない。そして、この ε が 圧力差に影響を与えてしまう。[そんな洩れは、物理の基本的問題 として重要でないから、なくした理想状態を研究すべきた。] 小さいと期待して εと書いているものの、FIO との大小比較は簡単ではない。圧力差がεに 応じて線形にかわるので、圧力が熱流の符合に依存する原因にもなってしまう。 昨日までのアイデアで、 圧力の ε 線形依存の項を消す配置ができた。 ε^2 の寄与はあるが、これは定符合で、しかも、Sasa-Tasaki の熱流誘起浸透圧と逆符合であろうことが、健全な理論の帰結であることもわかった。 だから、今の設定で定常側の圧力が大きくなれば、 熱流の洩れのからの圧力変化の影響 〜 ε^2 の大きさ以上に 熱流誘起浸透圧 が正しい符合で生じていることがわかる。
しかし、火曜日の夕方に変更した圧力測定部分にまだ(測定の核心部分には大きく 影響しないだろうマイナーな)バグがあるようだ。εを系統的に制御することも 考えないといけない。今の粒子間相互作用は単純すぎるから FIO が大きくでる 気がしないので、このあたりの改良も考えないといけない。 (が、2週間くらい研究から離れざるを得ないな。)
今あつかっているのは玩具のハミルトン系だが、以上のような話しは、 生実験をする際にも重要な知見になると思う。
11/26 (火)
ハミルトン系による熱流誘起浸透圧:今朝の結果の不満な点を林さんと 大槻君に白板で喋る。事務的な仕事をするために外にでたら、仕事を半分忘れて、 いいアイデアを思い付いた。モデルはまだ完璧な美しさをもっていなかった。 これで完全だ。[林さんの指摘で、モデルの美しさを少し壊せば、 系統的に「純粋なFIO」をとりだす方法もたぶんわかった。] 時間発展は2分で変更できたが、圧力測定の変更に時間がかかってしまった。
Hayashi - Sasa 論文の最終調整:順調にいけば来週に投稿予定。
とにかく数学辞典の担当部分の草稿をかきはじめるが、まるですすまない。 このペースで考え込んでいると、絶対にまにあわない。
11/25 (月)
夢の中でも粒子がとんでいるので、4時間半の睡眠で暗いうちにおきて 昨夜の続きをする。密度場、(運動論的)温度場、熱流場、圧力場 のグラフは今まででもっとも美しく、そして見事に(正しい)「熱流誘起浸透圧」 の成立を示している。(やったやった! と院生室でよろこんでいたら、 「統計誤差で消えるかもしれないでしょう?」という冷たい反応をうける。) 今まではそうでも今度は違うぞ、きっと。明日の朝には精度つきデータがでる。 うまくいっていれば、有限サイズ効果を抑えて、 Sasa-Tasaki関係式の検証にはいれる。
(最終的には今朝確定した)熱流をとめて粒子を流す接触のデザインは傑作だと 自分では思う。粒子をとめて熱を透過させる壁は力学的に簡単にかけるから、 そいつを複数枚用意して組み合わせる。力学モデルのハミルトニアンは 驚くほど簡単なものである。
これに時間をかけすぎてしまい、気がついたら仕事が山積みになっている。 この2〜3週間は非常事態モードで動かないといけない。
11/24 (日)
朝、連続体講義の準備。
ハミルトン系によるSST: いろいろ考えた結果、夕方にもっともシンプルで純粋なモデルをきめつけて、 プログラムを書く。しかし、普段の僕が使わないような複雑なアルゴリズム になってしまい、なかなかちゃんと動いてくれない。大きなバグはとったと思うが、 まだ正常ではない。
頭の中の思考実験では、「このモデルで予言どおりのFIOがでないはずがない」 のだが... 。(このモデルの範囲で、粒子の言葉を使ったFIOの直感的も説明できた つもり。本当に動いてくれないとスカかもしれないし、誰も信用しないことは 百も承知。)
11/23 (土)
ハミルトン系によるSST:うーぬ。えいやぁとやると接合面で温度ギャップなどの汚い 現象が生じる。(それはそれで見掛けは面白いが、)すくなくとも今の問題には重要で ないので、綺麗な接触が実現するように設定をいじくりまわす。
11/22 (金)
ハミルトン系によるSST:奇妙な振舞があったので、おかしいところを探索する。 夕方にやっと無矛盾になり、モデルの具体的な構成がかたまってきた。
昨日の朝おもいついたこのモデルは、思考の叩き台としても非常によい。 「熱流差(=非平衡性)を圧力差(=力学)に変換する」部分がハミルトン力学系 だけで簡潔にかけているので、 いろいろな極限状況の物理的な様子を頭で具体的に想像できる。 夕方、林さんに説明しながら、思考実験のversion はさらに美しいものになった。 こういう極限だとこういう摂動ができるかも... と一瞬もりあがったが、 それは錯覚だった。
11/21 (木)
KISS: key stoneは面白いが、2週連続は飽きるなぁ。お茶かいは、 稲垣さんの粉の線形弾性体記述。
ハミルトン系+非平衡:熱浴モデルは、Nose-Hoover, Langevin, 確率反射 等々 幾つかあるが、全て(平衡状態を除いて)物理的根拠のない「モデル」である。 境界条件としてそのモデルを使って、バルクの普遍的性質を問うなら、 モデルの選択は重大ではないかもしれないが、新しい法則の有無に関わる現象(FIO) を問うとき、その重要部分である「粒子を透過させて熱流をとめる領域」 のデザインに、そのようなモデルをもちこむのはいけない。 (日記にも何度か書いていたように、一般論としての危険性は認識していたが、 FIOにとって非物理的であろう理由が昨夜朧ろげにわかったのである。)
というので、熱浴モデルが直接関与しないFIO検証のデザインを今朝考えて夜に 実装終了。なかなか美しいデザインであり、これで Sasa-Tasaki がこけていたら、 少なくともああいうSST構成法はだめなんだろうな。 テストランの結果はやや心配なものではあるが、朝までの計算を流してホテルにいく。
11/20 (水)
しないといけないことは溜っているのだが、今日も非生産的な一日を過ごした。 いくつかの数値実験に関して、数値的に信頼できるレベルまでつめた結果、 もはや Sasa-Tasaki は絶望的だ、と思うようになり、夜に、絶望的だと判断する にいたった経緯のノートを書きはじめる。ひとりごとのようのノートだが、 書いていると、「対象にしているモデルが不適当である」という論点がみえてきた。 既にモデルのversion は(minor 変更までいれると)膨大な数になっているが、 週末にでも大きな改訂を行うことにする。
11/19 (火)
ハミルトン系+非平衡:混乱の続き。
11/18 (月)
プレプリント が 公開されたようだ。
ハミルトン系+非平衡:激しく混乱する。
11/17 (日)
朝、連続体力学の準備。先週の講義中の混乱の原因を数式を使ってはっきりさせ、 流体力学の範囲で閉じた考え方を整理する。[最終解答は難しい、というかほとんど 研究課題であろう。] 明日のメインテーマの Stokes 則の導出は、 記憶のある限り生涯3度目のはずだが、なかなか正しい係数がでず、 計算力のなさをなげく。
ハミルトン系+非平衡のモデルの設定をいじるが、どうもうまくいかない。 ひとことでいえば、平衡系+熱伝導定常系という複合系を構築するのに苦労 しているのだが、苦労の標的を明示的にするために、 「熱力学的に健全な複合系」の基準を設定した。 接触のデザインによって色々な「複合系もどき」ができるが、 この基準を満たさないうちは、FIO の有無だの定量的関係を議論する以前 の段階である、と言い切ってしまうのである。
買物にいったり、トランプしたり、TVをみたり、ねっころがったりしているうちに、 なんとなくアイデアが浮かんできたので、夜にかちゃかちゃと試す。 テストランは上々にみえる。「熱力学的に健全な複合系」の基準を 満たしているような気配だし、FIO も正しい符合で実現しそう。 精度をあげると壊れて消えるのがいつものパタンなので、 まったく安心できないが、気持ちよく布団に入れるのはよいことだ。
11/16 (土)
朝、数学辞典の担当部分を読む。たった2ページなのだが、さてさてどうしたもの か悩む。腕をくんでいてもはじまらないので、現在の版の不満な点を列挙し、改訂の 構成案をノートに書く。仕事をした気になったので、今日はここまでにする。
午後、とあるレポートを殴り書いて提出する。
集中講義の準備をはじめる前に、ねっころがってハミルトン系+非平衡の問題点の おさらいをする。おかしい部分の核心をえぐりだそうと、色々な結果を頭に浮かべて いると、うたたねをしてしまった。が、目がさめたらやるべき方針が見えたので、 集中講義の準備はキャンセルし、モデルの設定を大幅にかえる。テストランは 終えた。
11/15 (金)
「寒い」と思ったら、セーターをホテルの部屋においてきたようだ。
ハミルトン系+非平衡:(運動論的)温度、密度固定で、熱流による圧力変化を グラフにする。有意に非平衡効果を確認でき、精度をあげれば綺麗なグラフに なりそうなので、FIOが小さくなってしまったのは、やはり「接触」のデザイン の問題なんだろう。
Wada-Sasa論文: 和田君が論文投稿をすます。cond-mat/0211304 で そのうちに 公開されるでしょう。
この論文は "Anomolous pressure in fluctuating shear flow" というタイトルで、 学部4年くらいまでの知識(〜ランダウ教程)で理解できる。Sasa-Tasaki は、 [表面的には]学部2年くらいまでの知識で理解できるので、それよりは難しいが、 高度な予備知識は必要ない。そんなのは、時代遅れの古くさくて簡単な練習問題 に違いない、と思うかもしれないが、それは論文をみて判断してもらえばよい。
例えば、 micro-scale fluid で圧力を精密測定をすると、示強性が破れたり、解析性 が破れたりするはずだ。まぁ、後者は30年前に川崎御大が難しい計算で 予言しているので、真の独創性は川崎さんの方にある。それに対して、 この論文のうりは、わかりやすさだろうか。「Kawasaki-Gunton なんか 信じてなかったが、どうも正しいようですね。」という某さんからのコメントが、 的確な位置付けをあらわしている。示強性の破れも解析性の破れも、 まだ実験の報告はないが、この論文の明晰な論旨に影響をうけた実験家が 精密測定に挑戦してくれると嬉しい。
ちなみに、論文の謝辞のひとつまえの文は、 "... thermodynamcs extended to steady states.' である。こういう変な非平衡特性 たちをひとつ屋根のしたで統一的に記述するのが、非平衡統計 の目標でないといけなくて、そのためには、やっぱ....
11/14 (木)
KISS: 池上さんの replicator 系の話。認知より簡単なサブジェクトのせいか、 動機/モデル/結果のバランスが悪くなく、動機・モデル・結果のそれぞれに 楽しめる点があった。ただし、モデルの key-stone 的なものと現実のecosystem における観測事実等との対応は、いまのところないし、 (replicator系の宿命だろうが)、パラメータ空間で 1/1000の確率で選ばれた現象 をどう位置付けるのか、というのはわからない。
お茶かいをせずに、論文たちをいじくる。
11/13 (水)
Wada-Sasa 論文、今週中投稿へむけて最終調整をする。Hayashi-Sasa 論文、 今月中投稿へむけてつめる。
ハミルトン系+非平衡:うーむ。。。
11/12 (火)
Los Alamos からの客人による「石の記憶」: スピングラス実験に類似した変な現象か、、 と非常に混乱したが、夕方にはほぼ全てクリアーになった。理論解析につかっていた モデルは、Carlson や早川がやっていたのと同じようなものだったので、 論文を渡して宣伝しておいた。
11/11 (月)
連続体講義: 運動量流束テンソルの非対角成分からずり応力にいく説明で、 自問自答がはじまってしまい、黒板の前で考え込んでしまう。 運動量流束テンソルは、流れにのってみれば表面で与える力と解釈できる、、 という(普通の)説明を昨日の講義準備では何も問題なしに受け入れていたのだが、 壁がガンとあって流体をおす絵を書いた瞬間に、本当に等しいのかよ、、、 という心の声を聞いてしまった。平衡の運動量流束テンソルが壁に及ぼす力 と等しいことを納得したのだから、ずり応力だってそうすべきでないか....。 (普通の説明をもっともらしくいいくるめることはできそうだが、境界の 部分がふにゃふにゃしている。絵のかきかたがどうもわるいようだ。)
かえりの電車の中で、講義の自問自答をまずwell-defined な問題設定にすべく 考える。
11/10 (日)
目がさめたら体調がほぼ戻っていたので、早朝から明日の連続体力学の準備をする。 本にはあたかも自明であるかの如く書かれているが、経験上(過去の自分も含めて) 式を追えても理解が不十分になりがちなところを丁寧にやりたい。 その後、 都立大の集中講義の目次 をつくる。ぼちぼち 準備をはじめないといけない。
夕方と夜、ハミルトン系+非平衡をいじくる。うーん。
そろそろ数学辞典の草稿を書かないとやばい。プレッシャーをかけるためにここに 書いておく。(これは落とせない。)
11/9 (土)
僕も風邪をひいたので、終日寝る。(微熱程度なのでたいしたことはないが、無理 をして4月はえらいめにあったし。)
11/8 (金)
「よいモデル」の探索をあきらめて、いまある簡単なモデルで、誤差を抑えきる、 という力技で勝負する方針を考えるが、このサイズでこの計算時間でこの微小な 量をみるのか...と思うと気が遠くなる。
統計力学講義:今年はじめて熱力学を前提にしない方針でやっているが、こっちの方 がいいかもしれない。熱力学は履修状況や履修内容に大きな揺らぎがあるので、 講義のスタンスが毎年どうも中途半端になっていた。レポート課題(のひとつ) は、アボガドロ数をどうやって測定するのか。勿論、ボルツマン定数の測定と同じで ある。この数がわかっているというのは素朴に不思議なことだと思うが、僕は高校生 のときに、こだわらずに受け入れてしまった。
11/7 (木)
「局所平衡からのずれを大きくする」と呪文のように唱える。朝の電車で 思い付いた素朴なアイデアを定期健康診断の後でためすが、どうもかんばしく ない。歩きながらも色々考えるが、こういうのはセンスがいるからなぁ。
早川と阪口さんがおちゃかいにくる。阪口さんは8年ぶりだったので顔を忘れていた。 粉、粉、粉... の話。
11/6 (水)
うーむ。FIO が誤差の蔭に隠れてしまった。データをとる遷移時間の見積りが 甘すぎだったので、そこをきちんとすればするほど、FIO としてみえていた圧力差は 小さくなってしまう。
一般的にいって、(符合はともかく)、局所平衡の破れがあれば、FIOは絶対に生じる。 SSTという枠組があろうとなかろうとそこは間違いない。ただ、今のところ、 この大きさはよくわからない。今のモデルでは局所平衡の破れは小さいのだろう。 (熱伝導状態での)状態方程式の測りかたもボケていたのでやりなおさないと いけないし、まだまだ勘が全然ない。
11/5 (火)
ハミルトン系+非平衡: 昨日、1昨日とうかれていて、熱流測定ルーチンを書く のを忘れていた。FIOを議論するときには熱流を連続場としてみたいので、その ミクロな表式をだしておこうと思っていたのだった。すぐにできると思ったが、 色々混乱して、できたのは夜だった。1昨日にみえたと思ったFIOに熱流場を つけてみると、うーん.... おかしい。先は長いな。 とりあえず、熱伝導系での 圧力(状態方程式)と熱流(輸送方程式)の温度差と系の大きさ依存性をおさえることと、 FIO の存在を確実にする2本だてですすむ。
Hayashi-Sasa 論文: 非平衡自由エネルギーの存在を保証するMaxwell関係式と 揺らぎの関係式を外場や密度をかえて各々5つの条件で提示する予定で、現状を林さん と整理する。もうちょい。
11/4 (月)
徒歩でいける千葉大の大学祭にいく。サイクリング部の自転車でひっぱるネコバス が印象的だった。娘たちはそれにのって移動し、僕は猫の尻尾をおっかけた。
Hayashi-Sasa 論文を少しいじったあとは、最近やっている ハミルトン系+非平衡 のモデルで、Sasa-Tasaki 関係式の証明の筋をぼーと考える。モデルを使って 書き下したそのミクロな表現が成り立っていそうな感じは、昨日はまるっきり しなかったが、今日はかなり見通しがよくなってきた。(数値実験との挟みうち だな。)
11/3 (日)
ハミルトン系+非平衡:定常系と平衡系の接触領域のデザインを少しいじり、接触 領域と各系の界面付近で変なことが起こらないように工夫する。論文草稿を書きな がら、気楽にノートパソコンで計算させる。10分後、圧力、(運動論的)温度、 密度の空間変化をグラフに出力させると、、、お、これはいい。落ち着いて、 熱流の符合をかえて計算させる。10分後、、、いけてるじゃないか。
熱流の向きに関係なく、定常系と平衡系を接触させると、定常系の方が圧力が高く なる。(運動論的)温度プロファイルや密度プロファイルも妥当だし、もちろん 物質流はなく純粋な熱伝導状態と平衡状態の合成系である。
あくまで助走段階で、精密測定にはほど遠いし、系の大きさやパラメータ依存性 についてはまだ何も調べていないが、きわめて希望のもてる結果だ。データを 段々精緻にしていって、Sasa-Tasaki の関係式が成り立つところまでいけば、 driven lattice gas の結果とあわせて、SST があることは確信できると思う。
Sasa-Tasaki の関係式が本当にあるなら、今対象にしているモデルに対して 導出できるのでないか、、、と考えはじめるが、まるっきりみえてこない。 こういうのはずーと考えていると、ある日、突然見えるのだろう。 (本当にあるなら。)
11/2 (土)
ハミルトン系+非平衡: 朝食前に「確実な矛盾」に到達し、その1分後に虫を除去し、やっと空間的に一様 な圧力を得た。圧力や熱流の温度差依存性だのサイズ依存性だのの基本的性質の 精密測定は連休あけにゆっくりやるとして、とりあえず、今回の鍵である、熱流を とめ粒子を流す境界をつかった平衡系との接触をいろいろつくってみる。計算機に 計算させたり、式をいじくったりするが、ほとんどの時間は瞑想して絵を書いて すごす。午前中はまるでだめで、"FIO など絶対に存在しない"状態だったが、 だんだん自分が想像していた描像を思い出してきた。
熱流をとめて、粒子を通過させて、平均流が生じずに定常系と平衡系の圧力差を 維持する「接触」で物理的に許容できる最小モデルクラスの構築までは終了する。 ふるまいの理解はまだ簡単でないし、Sasa-Tasakiになるかどうかが判明する のはだいぶ先だろうけど。
11/1 (金)
バミルトン系+非平衡: 朝のうちに圧力非一様の正体をつきとめるはずが、寝る頃が近付いているのに わからない。遷移時間やデータ数や系の大きさの選択の問題ではない。どう考えても 圧力は空間的に一様はなずだから、どうやらどこかに虫がいるようだ。 犯人をおいつめる基本は、「確実な矛盾」をひきだすことである。 それがわかれば、そこをたたいていけば虫の居所がわかる。何故か僕のノートパソコン は午前2時になるとうなりを発生するので、「確実な矛盾」がわかりかけたところ でおしまい。
統計力学講義は途中で疑問が生じてしまい黒板の前で考え込んでしまうし、 いかんなぁ。
統計力学の講義で、ランダムネスについて何でもいいから考察せよ、という無茶苦茶 なレポート課題をだしたが、結構な数の提出があった。楽しく読ませてもらった。 学部生でも一晩くらいは悩んでもいい問いだと思う。