日々の研究

日々の研究(リスト)

来月の日々研究

9/30(日)

あれこれ考えていると真面目な非平衡定常状態を無性にみたくなった。MDでやっても 環境に確率反射ルールを持ち込むのは、真の非平衡定常状態になっていない (cf. 7/20の日記)。 だから、環境も系も全部ハミルトン系で書きたい。諸問題 を並べてそうい うことが可能かどうかを検討する。パソコンで「ちゃっちゃ」とできるレベルにした い。1次元系の場合、輸送係数の発散がおこるモデルのクラスが広くあるが、それを 避けたい。少なくとも離散レベルの並進対称性を残したい。熱浴部分の熱伝導性は理 想的によくしたい。熱伝導による分布の歪み(=非平衡秩序と対応)の目安となる量が 最初にわかるのがいい。素直な高次元拡張で相転移が関係したら発展性もある。

以上の条件をみたすハミルトン系を頭の中で考える。もっとも簡単なモデルはわかる が、非平衡効果の程度に不安がある。(虚心にこのモデルでやるか、、もうちょっと 細工するか...)

勿論、系の大きさを固定した上での長時間 runはできない。数学的に考えればおそろし く難しい問題 -- サイズと時間の両方のうまいスケーリング極限で定常状態測度をハ ミルトン系からひっぱること -- になるが、数値実験でとりだすことはできるはず。

9月は研究に関しては何もせずに終ったから、10月は実りがあったらいいな。(予 定していた)今週の会議の資料の準備をしないまま、(予定していた)書類原稿も書か ないまま、、ぼーとしていた。

9/29(土)

driven lattice gas で SST-ケルビンを示すには、やはり測度について色々しら ないといけない。昨日、成り立っていそうだと思ったのは、SST-ケルビンの十分 条件が自然に思えたからだけど、これをモデルから示すのは(今のところ)途方も ない。田崎さんがやっているモデルでは、その部分が成り立つような設定になって いるから、積分可能条件に相当する部分が検証の山場になっていないのだろう、 という雰囲気はわかってきた。(まだ、100%の理解ではないけれど。)

積分可能条件の物理的な描像についてもうちょっと見切らないと、どうにも先に すすめない気がする。というので作戦を練る。

9/28(金)

経理の書類をさがすだけで2時間かかった。そろそろ掃除しないといけない。

driven lattice gas の場合には、SST-ケルビンの原理がなりたっていることを示 すことができるように思えるが....。非平衡測度の形を完全にしらなくても、壁の 操作に対する応答にかんするいくつかの条件をみればいいのだと思う。それが難し いのかな。えいやぁ、、と考える分には、OKそうだけど。来週、ゆっくり考えよ。

9/27(木)

今年から科研費申請に関する書類は down loadしないといけない。説明書の分量が 大きすぎるせいか、研究室のプリンターにうちだせない。申請書は打ち出せたが、 下がちょっときれている(?) (申請書は、基研にtexマクロがあるからそっちをつ かって書くけど。)

どうせ電子化ってのをやるなら、説明書きは、web上でさくさくよめるようにして、 申請書はtex (or pdf) でおくれるようにしてくれぇ。。。却って手間が増える中途 半端な電子化のような気がする。

熱力学試験採点の〆切が明日の正午であることに今日きづいて、慌てて頑張る。 明らかに問題が悪かった。できすぎているので、細かい(細かすぎる?)考察まで配 点をつけて、80点をめぐる攻防線をつくることにするが、これでは、本当の理解 度を反映した点数になっていないかもしれない。試験をうけたみなさん、すいませ ん。(* 1年生は読んでないか?) レポートも全て目を通す予定なので、今晩も死 にそう。

とかいて、レポートをみてたら、これをみている1年生がいることを知った。 採点終了、27時。

9/26(水)

研究がらみとはいえ、さすがに連日のハードワークであったので、何もしない日に する。

9/25(火)

10:30より第3回講義:「操作不能性の指標の一般力学系への拡張へむけて」。 内容は、昨年から進化していないこともあって、説明の仕方や構成に悩んでしまった。 かなり時間をつかったのに、一番貧弱になったかな。方針と現時点での結果には、そ れなりのものはあるんだが。

ささもとさんの厳密解の話しは、厳密解ならではの結果があって面白かった。 SSTに使えないか、と考えていたが、1次元系だからなぁ。。。ううむ。

金君とはボルツマンの解析について議論しつくしたつもり。吉森さんや若生君の数々 の質問に対して、SSTの「期待するところ」の返事をしたつもり。もちろん、「期待」 が成功するかどうかはわからない。

9/24(月)

朝、5時に起きて準備する。9時に学習院へ。14:30より、第2回講義: 定常状態熱力学。非常にもっともらしい体系であること;既存の理論ではま ったく説明できない実験の定量的予言を提案していること、、の2点をきち んと伝えることを意識した。

田崎さんのSSTと整合するミクロモデルの話しははじめてきいた。いいように 思えるが、物理との対応についてもう少し慎重に考えたい。分極の向きが 素朴なのと逆だったし、Ψとの対応も直接的でないのかぁ。。。(向きは いわれればもっともだが。)

眠くてしかたなかったが、26時半までかかって翌日の準備をする。

9/23(日)

9:00より第1回講義:「非平衡統計入門」。苦労したかいがあって なかなかの出来だったと自分では思う。

9/22(土)

午前、長女の運動会のための次女のこもり。14:30からの田崎さんの講義に まにあうように学習院へ。自分の第3回講義の構想を練るも不発。

9/21(金)

何とか、9/23(日)、24(月)の最低限の準備まではできた。9/25(火)の 準備は明日から。(あ、今日か。。26時になっている。)

学会直前の林さんの 格子気体+外場のふんばりを具体的に聞く。サンプル数が少な くて精度がまだでていないが、なかなかよいではないか。平衡からのずれ分に関して 有効数字ひとけたで、非平衡圧力と非平衡化学ポテンシャルの積分可能条件が成立し ている。(= つまり、SST自由エネルギーがある、ということ。) 有効数字2桁 になったらほぼ確実だと思うが。。

9/20(木)

予定では9/16(日)に9/23(日)第一回講義のトラペを仕上げるつもりだった。 新幹線とホテルの中で集中して、日曜日23時には終りそうな気配になってきたが。 。。最後の一枚のところを、丁寧に計算すると、ざっと計算した結果と違う。 1次元格子気体で線形非平衡領域での(きれいな)定常状態測度にもとづいて、 グリーン=久保をだそうしていたが、うまくいかない。計算間違いかな、、、と 何度もやりなおしたり、別の方法で計算したりしたが、思うような結果にならない。 もはや、学会どころでなく、あせりまくってしまった。

膨大な試行錯誤をすることになり、1次元格子気体と仲良くはなったが、 問題の解決がないまま今日の朝を迎えて、悟った。

グリーン=久保公式は定常状態測度の知見なしに求まることこそが本質だ。 だから話しの筋としては、1次元格子気体でのグリーン=久保公式を「もっとも 簡単に」導出し、定常状態測度を構成する「必要がない」ことを理解することが、 既存の非平衡統計の位置付けがわかってよいではないか。そして、その到達点が 非平衡の問題として如何に制限されたものであるか、という問題提起をして、 僕の第一回講義:非平衡統計入門を終えるのが妥当な気がする。

その問題提起に答えるかたちで、僕の第2回講義でSSTを導入し、田崎さんの第3回 講義でSST統計力学に向けての展開の試みを紹介する、、、というのが流れもよいで あろう。

今日中に、第一回講義のトラペをつくりなおす。明日中に、第2回講義のトラペを つくって、第3回講義の準備は、講義中の夜をつぶすしかない。

ちなみに、簡単に導出できるグリーン=久保による輸送係数の式と線形定常状態測度 から求めた輸送係数の式は等価でないとおかしいはずだが、その証明ができていな い。ある項と別の項が奇跡的にキャンセルしないといけないのだが、みえない。あ と少しのような気がするが、先送りせざるをえない。

9/15(土)

昨夜、対称性を考慮したminimum couplingでSSTの非平衡オーダーパラメータ とGLをくみあわせたモデルが、物理的におかしい、、ということがわかって、 夜更しすることに。SST+GLという発想が根本からおかしいのかいな、とも思い かけたが、目をつぶるとおかしい気はしない。昼前になってやっとわかった。 対称性の考察を形式的にやりすぎていた。。和田君にmailをかき、長時間の 電話。計算段階でまだいくつかの難点があるようだけど、処理可能な範疇だ と思う。当面の結論は、臨界温度がずりの○乗で変化する。(○は整数ではな い。) ずれの符合は系の詳細に依存するが、○には何らかのクラスがあるの でないか、、と思う。Onukiさんらの第一近似と僕等の第一近似の値は近いが、 考え方(方針)や計算はまるで違う。僕が想像している最終値は、Onukiさんら の結果と違ってくる。(その違いを検証できるほどの実験精度はまだないが。)

できることからひとつづつやっつけよう、、と学会発表のトラペをかく。7枚。 熱流による1次転移温度の上昇 -- heat flux induced condensation -- がおこりう ること (符合の部分は直感と昔の計算に頼っているのだけど)をmain dishにもって くる。理論的には、非平衡自由エネルギーの導入を山場にする。基研の田崎さんの 講演を聞いた人でも新鮮に感じるように構成したつもり。(内容は、基研の講演で 尽きているが。)

さぁて、数理物理'01 の準備だ。第一回 非平衡統計入門の後半は、詳細つりあい がもたらすものに焦点をあてる。相反定理や線形応答を普通にだしても面白くない から、、、線形非平衡領域での定常状態測度の表現という2週間前の結果とそこか ら導かれる物理的な結論(=まだ何もない)をやるべ..と考えはじめる。

うううむ。あと一歩。まにあうのか?

9/14(金)

やべぇ。やべぇ。やべぇ。9/16の徳島行きの飛行機がない。9/22のホテルが ない。9/23、24、25の準備する時間がない。 今週、腰痛で作業時間が大幅に 減ったのが痛かったな。(講義開始前のわりには)公務も多かったし。腰痛は、普通に 歩ける程に回復。まだ痛いし湿布はかかせないけど。

和田君が計算の詳細をつめたら、おかしくなってしまったらしい。。(大丈夫、きっとう まく収まるはず。) 林さんの計算は...「*」が発覚。(大丈夫、計算しなおして間に 合うはず。)

僕の初めての学会発表は、見事なまでに恥ずかしいものだった。(初めてでなくても 恥ずかしい発表が多いか。。決して自慢することではないけど。)

9/13(木)

和田君の学会発表の詰め。ブロックコポリマーメルトの「ずり流」による構造変化と 臨界点シフトを議論する。流れの影響を論じるのに、「流れ場」がでてこないので、 SSTを知らない人は「何のこっちゃ」と思うかもしれない。SSTでは、「流れ場」の 変わりに、「非平衡秩序パラメータ」Ψが主役になる。標準的なGL記述とΨを対称 性を考えて最小に結合させて、SSTを仮定すると、、、(とりあえずの)第一近似でも、 定性的なレベルでは、既存の研究よりいい線いっている、、とは思う。

ただし、Ψの理解に関してまだ不十分な点があって、弱いところがある。(* あ、 5月中旬にやった臨界点近傍のFIOの定量的解析も、やりなおしが必要。第一近似 としても弱い。おそらく同じ問題。) そこを突破すれば、定量的にも第一近似 を与える自然な理解になって、SSTのパワーの証明になるはずだ。その突破の仕方 はまだよくみえていない。もやもやとはしているのだけど。

9/12(水)

TVの映像に呆然とする。

数理物理'01 の第2回 講義は、SSTの現象論だけで 90分 丸々必要だ。カレンダー をみると、もう準備する時間がほとんどないのに、腰も完治しておらず、ふんばり が効かない。(お? 学会でその10分 version を喋ることになっていた。喋る早 さを9倍にすればいい。。というわけにはいかないか。)

9/11(火)

薬なしでも昨夜のような悪い状態ではない。しかし30分間同じ姿勢を続けると、記 憶効果が発生し、歩こうと思っても、座ったときの姿勢を覚えているようである。 大学にいくのに3本の電車を乗り継ぐのだが、最長のは70分あるので、今日電車に のると、おそらく電車からおりるときに、歩行困難になるのは確実である。した がって、定例会議を欠席し、担当していた簡単な資料説明を代理の人にお願いし、 自宅療養することにした。

田崎さんに送っていた研究会報告が修正・加筆でかえってきた。僕がヘタッタ部分 をきっちり書いているので、僕の草稿にあった「半端な感じ」の印象が相当に薄く なった気がする。いじるときりがないし、〆切による強制終了モードで早川におくる。

まともな作業はできないが、数理物理'01の講義の構成を書いていて混乱する。 説明順序だけの問題かもしれないが、うーむ。このペースで悩んでいたら ちっともすすまない。田崎さんが扱っている grand-canonical versionのモデル は僕の頭にまだはいっていないので、今日/明日中に入力しよう。

9/10(月)

腰のはりが尋常でない。駅から宿舎まで7分のところを15分かかった。 (おそらく)顔面真っ青になって。家について強い薬を塗って、ご飯をたべて、 日記を書いているが、明日は大丈夫だろうか。

Kawasaki-Gunton (1973) すげぇな。M1の頃に関連する勉強をしていた ことを思い出したが、結局あの当時は本質のかけらも理解していなかったようだ。 SSTが成熟して僕等が目指す統計力学ができた証のひとつは、こいつを「かるく」 乗り越えることだな。

僕が修士のとき世話になった先輩の足立さんは、電信柱に蹴りをいれていた が、、、相手はびくともしてなかった。

9/9(日)

数理物理'01の講義、第2回、定常状態熱力学の構成を考えていたら、6月の研 究会報告を書いていないことに気がついた。慌てて草稿をかいて、田崎さんに おくる。論文と同じことを書いても意味がないので、動機と背景に重点をおくこ とにした。背景説明としても半端な感じがするが、完全な解説はそのうち書く ことにして許してもらおう。

千と千尋...を長女と見にいく。この時期でも大勢の人がいたが、もうひとつ。 「もののけ」もそうだったが、おわったあとに爽快にもならないし感動もしない。 出だしは「トトロ」で、豚になるのは「紅の豚」を思い出すし、「コナン」「カ リオストロ」から続く同じみの滑走シーンもあるし、おばぁさんは「ラピュタ」 のママと同じだし、、ヘドロ化した川の神さまは「もののけ」っぽく、白龍に 薬をのますシーンは「ナウシカ」かなぁ。 出尽くしたものをつないでいるみ たいで、痛々しさを感じてしまった。 いままででもそういうのりは多少 あったけれども、ここまで露骨にやられるとつらい。

「コナン」と「トトロ」は文句なしの名作だし、(映画にするのは無茶だが、 結果として)強烈に感動させられてしまった「ナウシカ」があって、他、秀作が たくさんあるのだから、宮崎駿が凄いのはいうまでもないけど、新しくてすごい ものを持続するのは大変なことだ。

ところで、宮崎駿をみると金子さんを思い出してしまうのだが。。。似ている よねぇ、顔。

9/8(土)

数理物理'01の講義内容を考える。第一回は、非平衡統計入門で、既存の非平衡統計の 考え方の基盤について。技術的には、詳細つりあいの位置付けに重点をあてる予定。 詳細つりあいのもたらす「代表的な」結果として、何を紹介するか迷ったところ で時間ぎれ。

9/7(金)

腰のはりが少なかったので湿布なしででかけたら、電車の中でむずむずしてきた。 ふんばりがきかず、昼間わずかにあいた時間も、寝る前も、研究できず。

Onukiのレビュー('97)やOnuki-Kawasakiの古典('79)に目を通す。(後者は)先駆 的な研究だと思うが、現象論の設定で、現象論的な結果をだすのに、このような 計算をするのはバランスが悪いと思う。

9/6(木)

午前、(研究と関係ない)用件で、あちこちに電話したり、mailをかいたり。 午後は疲れてダウン。

研究はストップしたまま。田崎さんの日記をみて思い出したが、driven lattice gas については、7月23日の夜、小さい系の絵を書いて、非平衡秩序が生じる最小のパタンを みようとした。(日時がわかるので、日記は便利だな。) 結果は、「3粒子がつくる矢 印」だった。 その試みは、非平衡秩序の最小パタンを見極めて、それを参考にして 平均場近似を考えるつもりで始めたのだが、平均場近似の基本となる最小要素 でも手で解ける範囲を越えていたので諦めた。このあたりはまだ考えれる部分も あるのだが。 たしかに電荷があれば、平均場近似ができそうだ。

9/5(水)

大学院入試:口述試験。

9/4(火)

腰がはっている。痛みはそれほどなく、湿布でごまかせば普通に歩けるが、 ぶつかると割れそうな感じ。

高分子の臨界点は、平衡でも相当に変だ、ということをやっと理解した。 (変であることの機構まで理解したわけではない。事実を(おそらく)正しく 理解した、という初歩的なレベルである。もちろん、断片的な知識をもっている ことと事実を正しく理解するのにはギャップがある。) 非平衡にずらし たとき、「目のつけどころ」によっては、高分子でなくても、臨界でなくても、 変なことがおこる。だから、高分子+臨界+非平衡 というのは、高分子が もっている平衡での変さと非平衡の変さの喧嘩みたいな話になってくる ....と面白くないので、考える。

9/3(月)

朝、熱力学の試験。ばね定数の温度依存性を実験結果から求める小問がやや難しく、 それ以外はやや基本的すぎたかもしれない。基本と応用の「つなぎ」の問題をいれ るべきだった、と試験中に思った。登録した1年生の85%が試験を受けて、ざっと 答案をみた限りは、よくできているようだ。(* 教官の影響より、試験対策委員の 影響が大きいかもしれないが。)

昼、瞑想 (ときどき居眠り)して、作戦を練っていた。夢うつつの状態だとうまくい く気がするのだが、起きるとぼけてくる。とりあえずエントロピー生成最小原理 で求まった(意味ありげな)定常状態測度の線形非平衡領域でのより明示的な表現を もとめてみるかな。

夕方、教務の仕事(3時間)。腰も痛みつつあるし、つらい。

うむ? 上の文章を up load するまえに、 なつみかん を みると、田崎さんの日記が更新されていて、その内容が上の文章と妙に オーバーラップしているではないか。書いたのを消すのも変だし、 そのまま up load するが。

9/2(日)

長女の所用で池袋までいく。素朴に、エントロピー生成最小原理を非平衡場の2次 摂動で書いてみて、(予想どうり)簡単なパタンがないことを確認する。そうすると、 どう考えればいいのか、、、瞑想。

「確かに私も物理の話しをされると眠くて仕方ありませんが....」というのは 透君のセリフだが、うーむ。。

9/1(土)

マルコフ確率過程でのエントロピー生成最小原理:昼すぎにノート完成で、1) 線形 非平衡領域では定常状態測度がこの原理できまる; 2) 測度はZubarev-Maclennan と類似、、という結果になった。 1)は文献にもちらほらあるので予想どうり。 2)はちょっと予想外だったが、ありえる話しであろう。。と一旦はノートを終えた。 しかし、以前、Zubarevらのはどうも物理的に納得がいかなかったのに、そんなものが でてくるのは、やっぱりおかしいなぁ、、、、と昼寝をしていたら、バグがあった。

ゼロ固有値をもつ行列の逆をとっているから「発散」している。 Zubarev - Maclenann の議論でもそういう発散がでるのだが、彼らは正則化の 手続きと強引な物理の解釈をすることによって誤魔化している(ようにみえる)。こん なことをしたくないので、可解条件をつかって丁寧にゼロ固有成分を分離して、まじ めに扱うと、、とってつけたかのようにきれいな式がでてくる。定常状態での状態 x の確率は、その状態から無限の未来への発熱分から定常分を引いたものを「非平衡 エネルギー」とするカノニカル分布である。おお、SSTとの相性もよいどころか、 SSTを知らなくても、この式をみたらSSTに向かいたくなるのでないか。数理セミ ナー'01の質問対策用のまとめのつもりでやっていたが、最近失敗ばかりだったので、 少しでも肯定的なことがでてきて、何かうれしくなった。また、バグかもしれないが。

簡単にできることだし、誰もが素朴に思うことだろうから、誰かがやっているとは 思うが、みたことないなぁ。来週、Eyinkのpaper をもういちどよく読んでみよう。

ただし、エントロピー生成最小原理で定常状態測度がきめれることが保証される のは、線形非平衡領域までである。SST的に面白いのはその次だから、これからどう 進むのかは、ゆっくり考える。

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