日々の研究

日々の研究(リスト)

2月29日 (日)

しばらく手を動かしてなかったので、手をうごかす研究にもどろう。 H-S V の核心部である 裏応答測定プログラムを書く。(adjoint response function ; 随伴応答関数 という名前が適当だろうな。いまつけた名前だけど。) 初日としては上出来。当初の案はうまくいかなかったので、その場で方針変更したら、 とりあえず測れている。平衡では随伴応答関数と応答関数は等しいけれど、 非平衡になるとずれてくるようにみえる。[林さんは、僕がうまくいっていない 当初案でうまく測れているようだし、いきあたりばったりでやったばかりなので、 これから色々なことと格闘しないといけないのだろう。]

体調がまだ完全でないせいか、その他の仕事はすすまず。

2月27日 (金) 〜 2月28日 (土)

H-S IV 解体と新展開 (H-S V)についてメモを残しておこう。『 研究において この瞬間が流れを決めるという瞬間がある。ただその瞬間がいつなのか(前もっては) わからない。』という パクリフレーズを実感するエピソードだとも思うから。

定常状態での密度揺らぎの時間相関関数 C と外場に関する時間依存応答関数 R を考える。定常状態が平衡状態なら、任意の時間について、ふたつの時間依存関数 は比例し、その比例係数が T である。この定常状態版を考えようとしていた。 まず、ひとつの C に対し2種類の応答関数 (実と虚 のようなもの) が必要であることは12月にわかっていたし、それの理論補強も少しあった。 別の測定できまるNESS の有効温度が複素化することと 2種類の R がでてくること は綺麗に対応していた。ところが、数値実験の結果の精度をあげていくと、 微妙にその関係が狂うことが確定しつつあった。その意味をあれこれ考えていた のだが、どうもすっきりしない。

転回の瞬間は2月24日 の「NESS からはずれる応答と NESS に向かう応答 を区別しないといけないのではないか?」 という林さんの言葉に訪れた。 最初に白板に書いた式表現は(結果として)間違っていたが、考え方として 非常にもっともらしいだけでなく、Bertini, Jona-Lasinio ら( = いつも大人数で書くので筆頭著者と有名人しか覚えれない) がここ数年 " NESS における FDT " とよんでいるアイデアとの相性もよい。 そこで、そこにあるはずの2つのタイプの応答関数(表と裏)の正しい定義 を書きくだし、その測定方法を与えることを課題とした。ここまで問題が 具体的になると、絶対にアイデアが出せるはずだという確信があった。 今までの応答関数の測定時間の数倍程度の手間で測れないと意味がなく、 そのアイデア(その1)をだしたのが2月26日である。

アイデアの検証や理論的考察は H-S V として、3月中におこなうが、もし予想 どおりなら、ひとつの時間依存相関関数に対して、4つの時間依存応答関数(= 表と裏に対し、各々、実と虚があるから)が複素温度を介してからんだ関係式 が成立することになる。ほんまかなぁ? ほんまだったら楽しいと思う。

僕は Bertini らの研究はよく知っていたが、それを我々の目前にある 「NESS における相関関数と応答関数の関係」 に結びつけることができなかった。 いったんそこに注意をむけさえすれば、具体的な案をひきだし、それを検証して いくことは、簡単ではないにしろ、道は(途中までは)みえている。その道をすすん でいって、次にどういう形でひっかかるのか、あるいは、途中で途切れているかは わからない。それでも、まったく道がみえない状態になったときに、そっち方向に 何かがありそうなことがわかった瞬間は嬉しい。そして、もし、本当に、今の予想 の延長に正しい何かがあって理論として結実するなら、流れを決めた瞬間(のひとつ) が2月24日の夕方になるかもしれない。

2月26日 (木)

休みたいが今日も休めない。(休暇届けをだせば休めるというものではすまない 業務もある。多くのサラリーマンはそういう毎日だと思うけれど。) それでも 必死に昨日の問題を考察し、解決する方針を思いついた。とにかくこれで前に すすめる。

しかし、膨大な話しになってきた。というか、線形応答領域の非平衡統計力学の 理解が幼稚だった.... ということを4ヵ月かけて理解したようなものだ。 それを深く理解していくのと、NESS への拡張の試みを考えるのが同時にすすんで いった。たとえば、問:「線形応答理論にあらわれる諸関係式(Einstein関係式, Green-Kubo関係式, 振動ポテンシャルに対する応答と揺らぎの関係式、 相反関係、緩和と揺らぎの関係式、熱力学変分原理、熱力学揺らぎの関係式) 相互の関係を述べよ。」というレポート問題があったとする。1年前の僕の解答は、 いまから思えば、幼稚なものしか作れなかっただろう。それゆえに、NESS への拡張に とりくんだときに、急にみえなくなったりおたおたしたりした。この調子だとまだまだ 理解が浅そうなので、色々でてきそう。研究レベルでは 1960年代におわっているの だが。[熱力学だって研究レベルはクラウジウスとギブスで終っているのに、 僕がちゃんと理解したと思えたのは最近だもんな。]

線形非平衡統計の理解はともかく、NESS での普遍的な理論の可能性については、 証拠をつみあげていくしかない。長い論文として書いていた H-S IV は、研究 の時間スケールが分離してしまったので一旦解体し、今までの知見で短い論文 を書くことでけりをつける。[林さんが速攻で草稿をつくる予定。] その一方で、 H-S V として新たな課題をゼロからスタートさせる。(最近ずっと違和感を 覚えていた部分の正体がわかり、その攻略方針もみえたから。もちろん、本当に 攻略できるかどうかはわからないし、攻略できたとしても、少々時間がかかり そうだ。)

「もっと落ち着いて研究せぇよ。」とか「せめて研究がまとまってから論文書きに はいったら?」とか意見はあるだろうが、今回の課題に関しては、僕はこの方法 が最善だったと思う。数値実験でデータをとり、fluctuation hydrodynamics の解析でサポートし、それらから「もっともらしい筋」をつくれ、という課題 なので、とにかく「現在の筋」の是非の見極めがもっとも難しかった。絶対間違い ないものから基本的論証を積み重ねて行く作業ではない。囲碁でいう、天に近い とこらからうちこんで模様をつくっていくのに近いか? ただ、模様の不細工さ 加減がみえないとどうしようもない。だから、(そうであって欲しいという)期待 ともっともらしい証拠の違いをみきわめるような模様見ができるようにと、 文章にして全体の理解をみることが必要だったのだ.... 何か言い訳がましいか。

2月25日 (水)

体温38度だったが、朝8時からの業務にむかう。問題がなければ何もしない のが仕事みたいな業務なので全く働いた気はしない。おかげで、昨日のアイデア を丁寧に検討することができた。勘違いがあったのでそのままではだめ。しかし、 問題点はクリアーになった。が、その問題を解決する方策は(いまのところ) ない。長い論文草稿をばっさりきって、複素有効温度の操作的定義とそれに もとづくEinstein 関係式だけに焦点をあててさっさとだす手もある... という弱気 な提案をする。(複素有効温度の虚部に対応する Einstein 関係式が新しく登場 するし、そこをきりとってもレター論文としての価値はあるとは思うが、 当初の目論見からすると大後退ではある。)

2月24日 (火)

またもや風邪。夕方から明らかに高体温状態になってきた。うどんをたべて 薬と体温計をかってホテルにいく。ぐっすり寝て、明日の早朝業務にそなえる。

H-S IV 論文 の赤入れにはいる予定だったが、釈然としないポイントが2、3 あって、そこをどう決断するが議論する。それらに触れないのでなく、現時点で 「どう考えているのか」ということを明記したいので、そこの書き方は決断に 依存するからである。ひとつの路線として、主張をぎりぎりにおさえて、あとは 「わからん」を連発しながらデータや解析をみせる、というのがある。 体調が悪いせいか、それでいくかなぁ、と思いはじめていたが、林さんが「それで はいかん!」と突破路線を主張し、いくつかの「まだできること」を提案する。 そのうちのひとつがよいアイデアに思えたので、その展開を考える。

2月23日 (月)

H-S IV 論文草稿新版の全体をみる。ページ数は増殖しつづけているが、うーん、 釈然としない。

2月21日 (土) 〜 2月22日 (日)

1d DLG の数値実験の結果に対して、現時点の理論的考察をするには fluctuating hydrodynamicsでみるのがわかりやすいので、H-S IV 7節 に 素朴でおおらかな話しと モデルをもうすこし特定した細かい話しの2段かまえで書いている。後者では、 ちょっとしたテクを使った命題を提示するのだが、これがどうも数値実験の結果と 矛盾するようである。このあたりをどういう風にとらえて、どうふんぎりをつけて、 どう書くべきなのか悩む。素朴でおおらかな話しは、おおらかだけあって 消えることはないが、理論として深くしていく道をみいださないといけない。

モデルの妥当性の証拠あつめのひとつで前から気になっていた3体相関を 1d DLG でとってみるも、第一試行の結果は「相関なし」。とりかたが悪い可能性もある ので、何かアイデアがいるのだろう。サンプルプログラムをさがしていたら、 nonlinear response のプログラムがでてきたので、そいつをとばしはじめる。 H-S IV 論文には、おまけのおまけだが、分布関数のtail と物理量の関わりかた について1段落だけ注釈をいれる予定にしている。ただし、 H-S IV の線形応答の拡張は、分布のtail をみないで各物理量の小振幅揺らぎだけ で閉じさせるから、そういう意味で両者の関係は全くわからない。楽観的にみれば、 分布をきめる指導原理があるということになるのだろうが、、、うーん。 DLS 変分原理が本物なら、たとえばそういう指導原理になりえるかもしれない。 SST が熟すとそういう指導原理を与えて欲しいのだが、今のところは遠い。

3月中旬の super string の研究会のプログラムができて、すこしあせりはじめて きた。非平衡統計のどういう側面をどういう風に組み立てるのか、歩きながら色々な バージョンを考えているが、まだ全体の構想もかたまっていない。

2月20日 (金)

大槻君のガラス的系の粘性係数異常の平均場解析がスタートしてきて、最初の おもしろい頃にさしかかってきた。まだ本格的な研究には遠いが、早速 (たぶん) 新しいスケーリング関係式などを予想する。直接数値実験とMCTしかない分野に、わかり やすい解析と明晰な概念できりこめたら楽しい。いきなり多体問題として問題設定 をするのはむつかしすぎて何も得ない。(林さんとずっとやっている非線形領域の FDT 関係などと深くかかわってくるのも間違いないし。)

H-S IV: 2/17の話しで定まった「考え方の明解さ」と「測定の安定さ」を最大 限尊重した構成で大筋はいけそうだ。技術的には色々な疑問が生じて今日の夕方ま で右往左往したが、夜の時点では期待がもてる状態になった。ただ、Einstein の 拡張がクリアーになればなるほどバランス的に Green-Kubo の拡張の不細工さが 気になりはじめた。

2月19日 (木)

朝6時におきて26時までなんやかんや。今週2回目の20時間生活。

2月18日 (水)

昨日の話しが楽観的に成立すると仮定して論文草稿の改訂をする。

2月17日 (火)

朝、e-mail で 残念なニュースをみる。昨日からの精神的吐き気といいまずい 雰囲気が漂いはじめる。

午後、卒研発表会と3年生セミナー(特別篇): セミナー(特別篇)は、新しい 関係式を学生が予想しようとする挑戦の過程を発表する機会だった。新しい ことを提案しようとするのだから、こちらも妥協なく追求し、結局、今回は 「不受理・ 再考」になった。この結果はともかく、自分の動機と学力に応 じて未知のことに全力で考える癖をつけるのは悪いことではない。本や論文 に書いてあることを読んで消化するのとは全く違う次元のことで、また、 そういう経験をふまえて本や論文と向かいあうと違ったみえかたがすると思う。

H-S IV 改訂: ひとすじの光がみえた気がする。 (林さんは「もう間違いない」と宣言しているが、) 本当かどうかは木曜日くらいにならないとわからないので全く安心できない。 しかし、いままででもっとも辻褄はあっていると思えるし、 気分的には非常によくなった。みっつの鍵があって、そのうちのひとつは FRR の破れ方に関して知見が増えたことにある。[マイナーなことではあるが、 個人的には「へぇー」ということがあった。]

降伏応力発生に関する統計理論の構築にむけて:やっと大槻君がとっかかり の手前に近付いてきたみたい。はじまったら面白くなると思っている。

2月16日 (月)

朝5時45分におきて、早朝からの業務にむかう。書類もいっきょに処理する。

H-S IV 改訂の議論。正直いって吐き気をもようす。ただ、こうなってから 「新しい知見」を得たことも何度かあるので、吐き気をさけて楽なところ にさっといくことはしない。

cond-mat/0402305 : DLS の変分原理を FH 風な表現にかきなおして、カレントの 分布関数を計算する。ただ、DLS の変分原理は作業仮説であり、一般性は いまだにわからない。何度も似たところはかすっていたので、論文の内容は すぐに理解した。僕がそれを考えているときは、そのFH 風な表現を FH から 示すことに問題意識があってので、(結局うまくいかなかったのだが)、それを 前提にして検証命題をだす、という方向にすすめなかった。僕等の(SSTに関連 した)やりかたは、うまい話しを前提にして検証命題をだして、検証をすすめ ながら新しい何かをつかもうとするのだから、DLS 変分原理についても、 そういう路線ですすむことを考えるべきだったかなぁ、、と少し後悔した。 これで彼らの変分原理が一般にあるかどうか徹底的に数値実験で調べれる だろうから、ずっと気になっていた一般性に関する証拠が半年もしないうちに でてくるだろう。

2月15日 (日)

H-S IV 大改訂の続き。うーん。

2月14日 (土)

H-S IV 大改訂。e新規書き下ろしが必要な部分の自分の担当を書く。 一応の流れはつくったが、まだ文はうめきっていない。肩がこってきたので、 今日の文章作業はやめて、他の宿題を考えることにする。

2月13日 (金)

ふー。やっと、スケジュールぎっしり状態から脱却か。精神的にばてたので、 最後の会議を休んでいたら、金子さんがよびにきた。特別な説明事項もないし 担当委員でもないのでいいかなぁと思ったら、甘かった。今年も大変だったと 回想にふけりたくなったが、来週も、月、火、木とイベントが色々まっているし、 さ来週も...。それでも、2、3年前の手帳をみると、今年ははるかに余裕が あったようだ。[日記では愚痴らないつもりだったが、まぁたまにはいい だろう。]

2月12日 (木)

10分の休みもないまま朝から夕方まで動く予定だったのに、事情により1件 消えたので、その合間に H-S IV の話。論文構成を大幅に変更する方向でかた まりつつある。英文表現までチェックしたところもあるのだが、やむをえない。 (仕事が完成していないのに論文を書いているのが悪いのだが、論文を書いている から不自然な点が浮き彫りになっているともいえる。)

2月11日 (水)

泥々作業で、とりあえず、少し前進。恰好よく問題をいえば、 「微小な摂動に対する応答が厳密には拡散 的になっていないとき、拡散の寄与をどう分離し、拡散係数をどう操作的に 定義するか。」ω空間でピークがあるのでそれを尊重してLorentizan 的にfitting してその幅から崩壊率を評価してきめる拡散係数 (案1)とω=0 近傍のふるまいから きめる拡散係数(案2)のあいだには、10%の差がある。(林さんが案3と 案4をもっていて、それもそのあたりにはいるようだ。)

僕等にとって都合のいいのもあるのだが、御都合主義でもってくるのも なんだしなぁ。時間をくったのは物理で悩んだのでなく、初等計算の ミスの連発で混乱したからである。脳味噌が融けているのかいな。 物理は布団にはいってから悩もう。

2月10日 (火)

会議:事態を打開するにはスーパーマン的アイデアがいるなぁ.. とためいき をつく。妙案はなし。期日は迫る。

H-S IV : 最近気になっていた ρ=0.3 に関するデータを整理整頓して全部 ならべてもらう。う--------ん。やっぱ微妙にはずしている気がする。この まま論文を仕上げてしまうのは危険だとする方針で一致する。事態を打開する にはスーパーマン的アイデアがいるなぁ.. とためいきをつく。 妙案はなし。早く手放して区切りをつけたい。

2月9日 (月)

午後から学習院で林さんのセミナー。丁寧に準備されていたし、物理研究者向けの 工夫もあったが、数学的な香りの聴衆だったかな。(DLG part については、依然と して手探り状態の部分が多いし、どう構成しても灰色になるのは避け得ないし。)

微小なポテンシャル変調に対する定常分布の補正のことを最近気にしていたので、 セミナーのあとで、DLG の定常分布の摂動論的構成の話をきく。非常にスマートに 摂動論が組めることにおどろく。fluctuating hydrodynamics との矛盾点を 早急に数値実験でみておくことが重要だと認識した。

2月8日 (日)

昨夜、布団の中でちょこちょこやって、大事かもしれないことが少しわかった。 明日つめたら面白いかも、と気分よくねる。

明け方の夢:水戸黄門(初代)にいわれている。「そろそろ諸国をまわるのを やめて、おちついてまとめたらどうか。」 僕は「もうすこしで見えそうなの です。理想からほんの少しずれたところに真実がある -- という視点をはっきり させるため、もう少しまわりたいのですが。」と答えている。あ、僕は助さんらしい。

僕の記憶間違いでなければ、助さんの名字は、(TV でいわれている)佐々木でなく、 佐々が正しいはずで、水戸光國ではなく助さんが中心に資料をあつめたはず。 そういう意味では、僕のしっている史実と一致しているが、僕が助さんになった のは夢の中でもはじめてだし、前世での記憶もない。

変な夢をみたせいか、妙に頭が重い。体温を測定して、布団に直行する。 疲れもたまっていたのであろう、終日寝ることになった。

2月7日 (土)

H-S IV 論文:3週間くらい新しい版の草稿がでていないが、時間の合間に 表現や構成に関する議論はしてきた。新版がさっとできない理由は、忙しいの が理由ではなく、1/18の "bad news" 以降、論旨が一定になっていない からであろう。夕方までに宿題をやっつけたあと、その部分に違った角度から 切り込みはじめる。あれれ? 例によって本番前の初歩的な計算のところでつまづく。

2月6日 (金)

審査関係も残すところわずかになってきたが、来週の会議予定がすさまじい。

宿題がたまってばかりで、消化できてない。気分的な見通しでもないといかんなぁ。

2月5日 (木)

修論審査とD進学審査。

2月4日 (水)

H-S III a 論文: 摂動計算の詳細と数値実験をつけて6ページになったバージョン が cond-mat/0309618 に replace されたようだ。前の結果の導出過程や数値実験に興味がある人はどうぞ。

昨夜のアイデアをちょっといじってみたが、どうもだめだ。うーむ。そのせいか 終日調子がでないままの一日だった。それでも、最低限の宿題だけは何とかする。

2月3日 (火)

各種封筒に〆切日をかいていき、〆切をすぎたものはいっきに処理する。 夕方からの長時間会議で消耗する。

Langevin 1体系と DLG 系の違いを明示化しなければならない! という林さんの 意見に従い、戦略を議論する。このあたりから攻める、、という感じがわかって きた。ちょっと試行錯誤してみるか。

2月2日 (月)

朝、千葉大のD論審査: 他の審査員の皆さん全員に「はじめまして」という 状態だが、折角よんでくれたのだから、遠慮なく質問させてもらう。 D論中に正確でない表現がいくつかあったことも指摘してしまったので、 深夜にファイルをつくって発表者におくる。

その後、駒場でばたばたばた。

夜、境界条件駆動型 NESS の 普遍的関係式への攻め方が少しだけみえた。

2月1日 (日)

昨日の夜にやるはずだった(もっとも簡単な)境界条件駆動型非平衡定常系 での Green-Kubo の(もっとも簡単な)導出をやっとおえる。NESS への拡張 可能性のプランをたてるのが目的だが、それはまだ雰囲気すらみえない。 外力 drivin 型とは色々違う気がする。それは、そこそこにして、D論読み をしないといけない。[今年は、M論とD論をあわせて9冊読まないといけない らしい。今、指をおったのだが、数えた行為を後悔した。(付記:数えおとしが あったようだ。もっと多い。)]

やればできるはずの問題にとりかかるとき、できないと焦りがたまってくる。 あせると雑念がわいてきて余計集中できない。しかし、こういう状況で先のばし は絶対にしない。たとえ最後までできなくても、どこまでは確実で、どこから うまくいかないか人に説明できるくらいまでは、区切りをつくらないといけない。 [院生への説教でよくいっていることを自分にも適用する。]

僕はこういうときに負荷をかける。「これができないと○○する」という 具体的なことを想定してしまう。自然な集中状態ではないが、所詮、練習 問題程度のルーチンだから、いんちきでもなんでもいいと思う。負荷をかけて うまくいかなかったら結構つらいかもしれないが、(研究者と して)普通のことを普通にこなせなくなったら、研究者やめるしかないだけ のことだから、どうということもない。

もちろん、ほとんどみえていないものを切りくずしていくのが研究の核心部 なので、その作業は上で書いた練習問題の話しとは全く別のことである。 (みえていないものをみていこうとするとき、偽物の集中状態なんてほとんど 役にたたない。無理して集中するくらいなら、散歩にでかけてぼーとするのが ずっとよい。)

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