9/30 (火)
H-S III a 多体系版: つめ。有限サイズ効果が思ったより大きいようで、 2桁の精度がでるには来週までかかるかな。
事務的なことが重なってくると、どうしても集中力を欠く。また、pending している課題たちのことも気になっている。こうなると、宙をさまよう時間 ができてしまって、よくない、ということはわかっている。
昨日の林さんとの話しででたのが面白そうなので、そっちのイメージをつくり はじめて、寝る前に手も動かしてみる。(研究としてのゴールは遥か先で、その 道のりのかけらもみえないが、立上りの段階では全てが新鮮で面白く思えてしまう。 こうやってちょこちょこやったものも、大概は熟す前に消えてしまうか、熟す とつまらなくなるのだが。残ったのが真の研究につながる。)
9/29(月)
H-S III a 論文は ここ からdown-load してください。京都のミラーサイトからはいると、昔のDLG論文が down-load されてしまいます。そこにいった人ごめんなさい。
H-S III a 多体系版:ランジュバン系との相違を確認し、つめにむけての予定を きめる... だけで終る予定が、長期計画に関する長い話になってしまった。僕も、 大概、先をみて「これができたら楽しい」という動機で駆動されて研究するが、 林さんがさらにその先の話題をふってくるので、色々な展開を考えた。 こういうことを考えるのは実に楽しいが、そのための地道な第一歩として、 H-S III a 多体系版の証拠提出は不可欠なので、気合いをいれてつめよう。
ちなみに、H-S III a 論文は、計算技術の論文でなく、物理の論文として みっちり書いている。実は、straightforward calculation ででるよー という部分を、本当に、straightforward に出せた人がいたら御目にかかりたい。 学部レベルの物理数学の範囲の問題ではあるが、随所に(パズル解法的な)頭を 使わないと導出はできない。多くの人が計算練習として普通にフォロー できる程度に導出を説明した論文は、今年中にはだす。 (本体は1ヵ月月前にできている。intro と remark とdiscussion がまだ。) ついでに、学会の英語セッションで林さんが喋った内容は、11月中に、 林さんの単著論文として投稿される予定だと聞いている。 [問い合わせがあったので補足]
9/28(日)
d-次元力学系に対応する(d+1)次元時空統計力学の話しを展開させるべく考える。 (具体的には、Kawasaki - Sasa の話し を Sasa -Komatsu にリンクさせたい。) いいアイデアがでない。アイデアがでないときの典型のような世界の見え方で、 どことなくイメージが曇っている。それでも紙に絵を色々かいてイメージするが、 だめだ。夜、H-S III a の regular paper 書きの予定も変更して、曇り風景と 闘うが、だめだった。(馴らしが足らない気もする。)
9/27(土)
H-S III a の多体系版:魔法のΘを通じた測定量間の新しい関係(予想) に関する最初の結果がでた。有限サイズ効果がかなり残る領域だし、 統計処理もまだ甘いが、左辺と右辺の相対差は10%だった。 サイズ効果を抑えて統計精度をあげたとき、これが1%以内におちついてくれば、 新しい関係式があると主張して論文にする。さて、どうなるかな。。。
外出して太陽の光をあびると、昨日以来の混乱の要因がわかった。9/21 に「Langevin 系と多体系の差を理解した」と書いていたが、そこが狂っていた。 よし、これでこころおきなくデータをつめれる。(H-S III a 論文の最後の 段落に書いてあるのは、いまの数値実験の結果と矛盾しない。ひやひやものだ。 昨日は、投稿直前に、最後の段落けずるかぁ? とびびっていたのだが、 削らなくてよかった。)
夜、忘れないうちに、学会前半でラフスケッチはできたと思っていた 「Θ > Tの証明」の流れをきちんと書いてみる。ありゃ、だめだな。 こけている。うーむ。
9/26(金)
H-S III a の多体系版:何かおかしいので色々調べると初歩的なところで ミスっていた。これをなおすと....あれれ? 何でこっちがだめで、そっち がいいの? いい方は、詰めようとする意欲が湧く値をはじいているが、 想定してなかった状況で、おたおたする。
H-S III a 論文:朝の電車で本当に最後のチェックをして、どうでもいいくらい 細かいところを林さんと議論して確定させる。林さんが無事に投稿をすませた。 preprint で一般公開されるのは来週頭くらいか?
9/25(木)
朝、H-S III a 論文の手入れ。予定どおり明日投稿できそう。
来年度の大学院入学者が決まった。学外からくる学生とは滅多に会えないので、 午後にすこし時間をとって話しをする。睡眠時間の話しに刺激をうけた。 (頑張ること自体は評価されるべきではないが、頑張る人が近くにいるのは 励みになる。)
夜、H-S III a の多体系版の厄介なあたりをいじっていたら、ふらふらしはじめた ので寝る。
9/24(水)
H-S III a の多体系版:非平衡格子気体のある簡単なクラスのモデルで、 非平衡効果は激しくあって、線形応答関係などはみかけ上ぼろぼろになって いるが、長距離相関はあらわれないモデルを考察する。H-S III a + H-S I から 自然にきまる「魔法のΘ」を通すと独立にみえる5つの測定量があれよあれよと 関係してくるはずだ、という予想にたってその証拠を数値実験で提出するのが 目標である。(今月中!) 林さんと半分づつ量の測定を分担し、もっとも厄介 そうな量の測定はふたりが試行することにしている。僕単独の分は昼までに めどがたったので、昼からもっとも厄介な部分に突入する。うーん。本当に厄介だ。
夜:H-S III a を金曜に投稿するための作業。
9/23 (火)
昼過ぎに大学により、早速、新しい計算を開始する。やろうと思ったところまで 終了したので寝る。
9/22(月)
学会。午前中に、H-S III a 多体版へ拡張の自信を回復する。(今までの経験を踏まえた いくつかの仮説が正しければOK。) ただし、多体系なので証明は容易ではない。 そこで、数値実験での主張の証拠を提出する必要がある。今月中に証拠をだし、 来月中に論文にするという計画を昼休みに林さんとたてる。
粉体セッション:大槻君の発表は見事。稲垣さんは「たんすをもちだす」(本人表現) 火事場のくそ力を発揮して流れをつかまえたようだ。発表も完璧。伊藤(伸)の 非平衡統計力学についてのアジテーションに対しては、夜になってから、反論を きちんと整理した。その場での僕の反論は焦点が十分にあってなかった。 (「モデル」と「簡単」という言葉をどう捉えるが問題で、そこを計算機ベースで 考えるのが間違いだと思う。伸泰の発表原稿をあげてもらって、それに対して 文章できちんとしたのを書こうと思ったが、いつ書けるのだ?)
じっとしておられなくなり、7時前にホテルに帰り、完全研究モードにもどる。
9/21(日)
学会。英語セッションでの林さんの発表は、昨日以上にすばらしかった。 (昨日もよかったが。) 宮崎さんが、物理的に核心をついた的確な質問を してくれたので、質疑応答も実りがあった。(日本語の質問でも意味不明 なものは困るからなぁ。) 林さんの発表のとばっちりで、後半の(苦手な英語での) 座長をさせられるが、内容のある発表ばかりだったので、苦労することなく すんでほっとする。
スピングラスの有効温度に関する川村さんの話し、過冷却液体の山本さんの話し、 ゴムのガラス化に関する宮本さんの話し、田中肇さんのコロイドのガラスが ならぶシンポジウムにいった。最初のみっつは全部論文を見ていたが、直接 話しをききたかった。田中さんのは知らなかった。(近くにいるのだし) この実験系で何かできないかなぁ、、、と考えながら聞いていた。
H-S III a の多体系版がLangevin系と何が違うのか、というのがわかった。 H-S III aの一般性に自信をなくして、おたおたする。悩みが深くなったころ、 廊下のソファで寝ていた林さんを見付けたので、寝てる場合ではない状況を説明する。
9/20(土)
学会。林さんの(H-S III a の)発表に対して、「どれくらい一般的な結果なのか?」 という伊藤(伸)の指摘や事情をよく理解している武末さんの「非自明だ」という コメントや宮崎さんとの議論や金さん他の「運動論的温度はどうなっているのだ」 という質問に刺激をうける。一般性は(描像から)間違いないと思っていたが、 たしかに証拠がない。学会中にずっとH-S III a の多体系への拡張を考察する ことになる。
中村君の発表はよく準備されていて、やりたいことは伝わっただろうし、それに 向けての最低限の結果に到達していることもわかってもらえただろう。川崎さんの 発表に対しては、状況をのみこめてない質問が多かった。「大自由度系の不安定 周期軌道の"物理的アンサンブル"の生データ」のはじめての公開のはずだが、 (聞く側が)はじめてみるものへの耐性ができていないしなぁ。
Θ > T の証明は、ラフなレベルでは終了。技術的に細かい部分は、ちょっと数学の 扱いが面倒で停滞する。
9/19 (金)
学会のため岡山に移動。H-S III a-2 (= これから、「Θ > T の証明」と書く。 これが輸送に関する不等式をあらわすことは学会で林さんが喋った。 憶えていない人は 9/26 のpreprint を参照。)で混乱する。 昨日のアイデアは微妙に間違っていた。混乱したまま時間がすぎる。
昨夜、夢の中で「夢の中で夢をみる」という夢をみる。朝、それぞれの階層の夢の スケッチも思い出せた。夢の中の夢が強烈だったので、そのなかでもうひとつ 夢をみてしまったらしい。記憶のある限り2度目。
9/18 (木)
朝のうちに諸用をすべて消化する。
明日から学会にでかけるので、瞑想続行。物理的描像がわかりやすい設定は計算 がうっとうしくなり、すぐに計算できそうなものは物理が不明瞭、というガラクタ 案ばかりできて、両方たつのをおもいつかない。そろそろ腹をくくって描像固定で、 計算と格闘するか...とうだうだ悩む。学会準備をさっさと終えた林さんが時間が ありそうだったので、考えていた描像を声にだして喋る。よし! 物理的な気分と 証明できそう気分がうまくあったのがでてきた。勘が狂ってなければ、これが きちんと証明できるはずだ。[9/8 にも同じようなことを書いて、こけていたのだが。]
川崎恭治さんに来年度の集中講義を依頼し、川崎さんからは承諾の返事をいただく。 しかし、(定年を越えた人の非常勤講師は原則として駄目だとする)東大事務の 抵抗の強さはわからない。
post-doc として滞在していた川崎さんが夕方さっていった。もうちょっと長く 滞在して、議論を続けたかったが、職がきまったのだ。アカデミックポストを とるのがしんどい時代に常勤職がきまったことは大変嬉しいことだけど。
9/17 (水)
予定していた諸務は明日にまわし、瞑想の日にする。やろうと思ってできてないこと を思い出すと、あまりにも膨大にあって、気分が悪くなってくる。
とりあえず、H-S III a-2 の証明のアイデアをねじりだそうとする。こういう気合いが はいったときは、まともなアイデアはまずでない。しかし、気合いをいれて頭の中 に色々なものをおいておくと、ふっとしたときにつながるものだ。もうひとつは、 d 次元力学系の (d+1) 次元時空配置をつかったエントロピーの攻め方の整理。 学会終了後に手を動かしはじめる。
9/16 (火)
朝、川崎さんと駒場での最後の議論。昼、諸務をこなす。時間が半端にあいたので、 "Linux を install しよう 計画" にとりかかるが、....う ...... う .... 「確率へのゲーム論的アプローチ」の本を手にとってしまう。
9/15 (月)
朝からずっと熱力学試験の採点とレポートのチェック。レポートの仕分けなどを 家族に手伝ってもらったおかげで、何とか夕食までに終えた。点数の書き込みは明日。 平均点は過去最高かもしれない。
レポートをもらってもすぐにチェックできないことも多いし、レポート〆切日に いちばんたくさん提出されるので、いつ提出されたものかわからないが、「絶対 零度をつかうと第2種永久機関ができてしまうのですが....」と悩んでいるのが あった。 素晴らしい。 講義ではその件について何も説明していない。試験のと きにでも、ひとこえ掛けてくれたらよかったのに。1年生なのでもう会う機会は ないだろうからなぁ。これをみる機会があったら mail でもください。 説明します。。。(さすがにみてないだろうけど。)
頭も指もふらふらなので、今日はもう休養にしようかと思ったが、先週の水曜日に だめだろうと宣言した描像に関連した数値実験の結果が林さんから届いていて、 昨夜から検討しなおしをはじめているのだった。ねっころがって考えるか。
9/14 (日)
川崎さんとの論文に関する宿題をファイルにかく。過去(先行研究)、 現在(=自分らがやったこと)、 未来(この研究の次にくるもの)を自覚的にわければいいのだが、 ついつい、未来を見すぎてしまうのが混乱のもとになる。(川崎さんも林さんも 僕もそういう傾向があって、だからこそ議論は楽しいのだが...)
3連休の間に試験を採点して、レポートをみないといけないのだが、まだ山に積まれた ままだ。まずい。レポートの高さ(=質でなく、cm で測った量) は過去最高だな。 (理想的には、添削して返却すべきなのだが、そこまではできていない。全部みて いるし、約束どおり、試験の点数が悪い人にはプラスαをそこから足している けれど。)
9/13 (土)
川崎さんとの論文は、一発芸というより、そこを起点にして色々なことを 考えていく出発点の論文にしたい。こういうことは川崎さんともよく話しを していた。だから、論文もそれを多少意識した構成にしよう、ということになって、 来週までに、問うべきことと問いたいことの全体像をなるべく明示的にする --- という宿題をこの週末に抱えている。
で、のたうつ。昨日までに、歩きながらいくつかの点については、意識して いたのだが、全体像がみえてこない。疲れもまだとれていないのか、ときどき、 うたた寝もした。夕方頃になって、やっと、「ふたつの論点が分離されない ままふわふわしていたのが暗雲の原因だろう」と意識できた。さぁてと、 このあたりをもうちょい明示化しよう。
具体的な格闘とは違うが、これもまた研究のひとつの姿だと思う。
9/12 (金)
昨夜寝るまで、電車の中、大学の昼過ぎまで、ずっと H-S III a の論文の手入れを して、林さんに渡す。細かい部分はまだ直すかもしれないが、もう僕が何度も読み 返すことはないだろう。以下は、ひと仕事終った勢いで、多少浮かれている状態で 書いているかもしれない。
この論文、今月中には公開予定だが(=少しはやくなった)、大変気にいっている。 物理として非自明な主張と明確な論証のバランスのよさがあるだけでなく、過去 からの継続と未来への展望をうまく渡してくれると思う。研究開始前と論文終了 後での位置付けの違いがこれほど大きい課題もはじめてだろう。開始前は、単なる 林さんの練習問題のつもりだった。景色がどんどんかわっていき、その変化の 有りようも楽しめた。これをうけた次やその次がもう始動している。H-S III b (原田実験) や 多体系における SST との融合計画も案を練りはじめている。
9/11 (木)
ある3年生と佐藤さんの雪の結晶に関する雑談会:今の実験技術をつかえば、μm スケールでの現象の測定や操作が可能なはずで、そういうのを結晶成長の理解 につなげれないかなぁ、と思った。(実験的に「みる」だけでも面白いし、 理論的に面白い話しもできそう。) 雑談会の途中で、1年生が風船のレポート をもってきてくれて、少し話しをする。これから実験もするらしい。
今年の学部セミナーの題目をだした。昨年は、Lieb の "stability of matter", 2年 前は Lambalgen の "Von Mises のランダムネス再考"、という、どちらも10年前く らいの review をベースにした課題だった。やや難しめだったが、参加者のレベル が高く、どちらも少なくとも計算や証明は消化した。(僕の理解はまだまだだが。) 今年は、クラッシックに走って、 これ にした。 今までとりあげてなかったのが不思議なくらいである。表面的な理解はそれほど難しく ないだろうけど、どこまで深くできるかな。(あ、参加者ゼロだったら、セミナーは しなくていいことになるので、気合い倒れかもしれないが。)
川崎さんと論文草稿の議論。林さんから論文草稿の最新版をうけとる。 先月末の日記には、「物足りなさを感じる」と書いていたが、 今眺めるとそんなことない。
9/10 (水)
H-S III a-2: 朝の電車で、昨夜の寝る直前の式をいじくる。うーむ、 月曜日のアイデアは間違いだな。いびつな式がでてきたのは、 描像と式の表現が食い違っているからだ、と結論した。 描像にあう式を書きくだすと、ちょっと複雑になる。 もとにもどすと日曜日まで後退か。(ただし、間違った表現ではあったが、 イメージがつかめてきたとは思う。)
連日の会議やら何やらで疲労がたまりまくっている。
9/9 (火)
川崎さんと論文完成までの time table の議論など。速攻でだす路線も ありえたが、10月中投稿くらいの熟成路線にする。
H-S III a 論文は、もうすぐ形になりそう。形になったあとで、細かい変異 をくりかえして10月上旬に投稿くらいかな。
「(予想はされているが証明はない)輸送特性のある不等式を H-S III a の知見 をつかって、熱力学っぽいものに変換し、それを(Hatano - Sasa の) 拡張された 第2法則経由で証明する 」件(= 毎日、毎日うざいので、これから H-S III a-2 とよぶ。) について、帰宅間際に話を聞く。よい感じの式が並ぶのだが、何か いびつなことがある。技術的な問題でなく、物理の勘違いがある気がする。 僕も手を動かそう、と枕元で式を書きはじめたが、さすがに連日の睡眠不足なので、 4行書いたところで熟睡したようだ。
9/8 (月)
(予想はされているが証明はない)輸送特性のある不等式を H-S III a の知見を つかって、熱力学っぽいものに変換し、それを(Hatano - Sasa の) 拡張された第 2法則経由で証明する --- ということに関して、林さんとの議論の直前に、 ちょっと方向転換し、「感じがよくわかる」攻め方を思い付き、即興でそっちの 筋を話すと、描像と技術がうまくかみあってきた気がする。具体的に証明が 完了するには、順調にいっても3ヵ月くらいかかるだろうけど、そういう 目安ができた気がするのは大きい。昨日までは、できるかどうかすら灰色 だったのだから。
川崎さんから「大自由度力学系の不安定周期軌道の統計」の論文草稿をもらう。 (post-doc だから当然のことかもしれないが)、あっというまに、H-S III a の 論文草稿より先にいってしまった。事情によりちょっと急ぐので、明日の朝までに コメントをまとめる(予定)。しんどいと思ったら、睡眠時間が少いのか。
9/7 (日)
(予想はされているが証明はない)輸送特性のある不等式を H-S III a の知見を つかって、熱力学っぽいものに変換し、それを第2法則経由で証明する --- というのは、考えていて面白い問題だし、そういう形の証明できれば世界の 見え方はぐーんと広がる気がする。 あの手、この手でとっかかっているが、 これだ! と思うアイデアは、頭で描いたイメージを式に表現していく段階で つぶれてしまう。それでも、線形領域での FDT の(一般的にも使えるであろう) 別証 という、今はどうでもいいのだが、H-S III a の regular paper には加えて おいても悪くないのは落ちてきた。
示したい不等式が成立することの確信度は高くなってはきたが、ばしっと はまらない。夢の中でもやっているので、もう起きることにした。(5時半)
9/6 (土)
H-S III a 論文 (discussion) : 林さんの草稿をよーく読んで、段落や文の順序の 入れ換えたり、文を付け足したり削ったりして対案をつくる。それほど時間はかからな いはずだったが、SSTに関わる部分で悩んでしまった。H-S III a の研究の部分は、 もともと H-S I のポテンシャル変化法のランジュバン定常系への適用という、 原田君のところに議論にでかける直前の知見からはじまった。(6/8の日記参照。) そういう歴史的な意味でもSSTとの絡みは触れたいし、今後の展望ではむちゃくちゃ 大事なのだが、今の段階で非常にすっきりしている今回の論文にそれを挿入するのは 難しい。結局、今日のところは、 論文の最後で、H-S I との対応をやや強引に触れて、 熱力学関数の構成とも関係するし、今後の発展をまて、、という曖昧な記述を 書く案にした。
H-S III a + (拡張された)第2法則: 測定量間の役に立つ不等式をそういう路線で 示そう、という課題と(ペンをもって)格闘する。
9/5 (金)
論文あつめ。 H-S III a に関わってくる論文が結構多いことに少し驚く。しかも やたら最近のが多い。(流行物をやっている意識は全くなかったのだが。) 逆に、 僕等の視点で、そういう論文たちを眺めると、世界がひろがってくる。今回の H-S III a の論文では、SSTとの関係は、(最長でも)1段落しか議論しない予定だが、 おもわぬところから展開できそうな気もする。
9/4 (木)
朝5時に目がさめてしまい、大数の法則の隙間をぬって第2種永久機関を つくるアイデアを考えてしまう。予定していた仕事もあったのだが、なりゆきで、 そのノートを書き始める。うーん。技術的な混乱が多く、話しにならない。 ちょっと冷静になろう。
夜、論文に手をいれながら、参考文献をみる。お? 関連する研究を系統的 に調べないといけない.. という論文があった。
9/3 (水)
大学院入試:口述試験。
9/2 (火)
あたふた。提出すべきものは提出したが、精神の高揚感に欠けていたので、 「博打の不可能性原理にもとづくランダムネスの理解」版をタイプして、 有志におくってみる。
9/1 (月)
熱力学試験: 例年と異なり小問を少なくする。題材は講義かレポートでやった ものから選んでいるが、知りたいものに関して自分で小問にわけていけるか どうかをみたかった。例えば、「ファンデルワールス気体の断熱自由膨張の 温度変化を求めよ。」という問をだしたが、その過程で内部エネルギーが変化 しないことをみぬき、UのV依存性を決める式が必要なので、自由エネルギーを もちだして... と結構な手数がいる。ざっとみた限りでは、できている学生も 結構いるが、理解があやふやな学生にとってはきつい試験になったかもしれない。
「博打の不可能性原理にもとづく大数の法則の理解」という面白い話しが流れて きたので、Cover-Thomas をみなおして、それに対応する「博打の不可能性原理に もとづくランダムネスの理解」版を寝る間際に考える。