8/31 (日)
休日に送ると約束したコメントやらノートやらを順次書いて送っていく。
8/30 (土)
昨日の不満を解消すべく、終日悩む。が、予想した測定量間の不等式と定常状態に 拡張された第2法則との関係は見えないままだった。このまま一日が終るのは、 気分が悪いので、第2法則と関係なくても、測定量間の不等式をだすことに問題を 切り替える。布団の中で目がおちる寸前に、多少意味ありげな不等式をだせた。 ただし、その証明には、第2法則チックなことは全然使わない。
8/29 (金)
H-S III a の論文の内容に物足りなさを感じてきたので、不満な点を明示的にする。 導出したマクロな記述と拡張されたと第2法則の話しを結びつけるなどの論点が 欲しい。
富山の田中君がきて衝突実験の詳しい話しをきく。散逸の起源を正面きって論じる のは難しいし、下手をすると不毛なことになりかねないので、例えば、もっとも 単純な配置で、はねかえり係数の v 依存性を何がきめるのか、ということを丁寧 に考えるのが建設的で、田中君のデータは、そういうことを考えさせる動機づけを 与えていると思う。(素朴な次元解析できまる指数からずれているから。) 以前にきいた 接触時間の話しは、綺麗な実験データになっていた。(漸近則のスケーリングは、 極限状況では自然に思えるのであうことに驚きはないが。)
8/28 (木)
川崎さんと先行研究の整理: d 次元 CML と d+1 次元統計力学の対応について、 80年代末の Sinai らにはじまる数学の研究の流れは(雰囲気だけ)抑えた。2001 年 に物理側から具体的なモデルによる明示的な議論がひとつあった。モデルや議論の 焦点は違うが、大きな問題意識は共通している。 先行研究との contrast を はっきりさせないといけない。
休む間なく、5人別々に話しをしつづけたので、今日、再スタートをきろうと 思っていた課題はてつかずだった。夜は、論文( H-S III a / regular paper) を書く(予定)。技術的な部分の議論は全ておわっていて、その合間をうめて いくのは、疲れていてもできる作業だしな。逆に、Introduction 書きは、 朝一番のクリアーな頭でないとできない。
8/27 (水)
論文草稿:昨日つくった cut and paste の書き足らない部分を眺めていたら、 ちゃんと議論するには結構面倒な部分があって、しかも、その議論はちっとも 楽しくない。バランスが悪いので、構成を考え直す。より綺麗と思えるのが あったので、こっちの方で書いてみる。Letter の構成にかぶる部分もあるので、 Letter の 構成改訂案として林さんにおくっておく。
川崎さんと自分らの研究の位置付けを議論する。先行研究を系統的に調べないと おちつかない部分がある。たしかに、(今のところは)、誰かがやっていてもおか しくない、とも思う。しかし、大自由度力学系の時空配置の統計力学なんて、数学 の一般的枠組としてありえることはすぐに納得できても、モデルで具体的に議論 しようとする意欲はわかなかいのでないか、とも思う。物理としては、そういう モデル研究こそが重要なのだが。 疲れがでているようで、体調がやや悪い。
8/26 (火)
論文草稿:夏休みの宿題の cut and paste であっというまにまとまった分量が できた。こんなことしていると、頭が阿呆になりそうなので、説明の核心部分 を書く。同じ時間をかけて、できた分量は1/10。
それでも刺激がないので、ちょっと気になっていた問題を前にだしてみる。うーむ。 実際に成り立っていそうで、考えるのが楽しそうで、かつ、本当に成り立っていたら 深そうで、だけども、どういう切口で証明していったらいいのかわからない。 [具体的なことは、そのうちに。当面、秘密。] こういうのを考えはじめると、 論文書きとか計算のつめとか宿題とか全部放りなげそうになる。 (夏休みの宿題の証明とは次元が違う。)
DLGにおいて(マクロでの)詳細つりあいの回復に関する、林さんの第一結果をみる。 なかなかよさげな感じですすんでいる。回復すること自体には驚かないが、実際に 数値証拠で示すのは至難の技で、アイデアなしでは誰もできない、と思っている。
8/25 (月)
朝、やっと欲しかった恒等式をみつけて、これをつかって拡散係数の表式をスリムに し、Reimanらと同じ複雑さの表現を得た。(実は微妙に形は違うのだが、数値は同じ になる。この等価性の証明を30分考えたが、もうこれはいいや。) 7月中にも ちょこちょこ簡単化していたが、結局、おとといの夕方みつけた「キャンセルの させ方」と今朝の「恒等式」のふたつが鍵だった。(その二つを明示しておけば、 あとはまっすぐな計算に過ぎない。) こういう 鍵が必要な "simplify"は Mathematica ではさか立ちしてもできないだろう。
7/16の林さんの表現に "simplify" をかけただけで、研究としてわくわくする ものではないが、これでこころおきなく論文が書ける。regular paper の方は、 「遠くからみる技術の有効性」も強調したいから、拡散係数の再導出もテーマの ひとつにする。
さてさて、夕方まで委員会仕事。
8/24 (日)
拡散係数の表現:昨日の結果をもうちょっとスリムにできそうな予想がたち、 その予想が正しければ、Reiman らの表現に到達しそうな雰囲気なので、積分をいじる。 初等解析学の範囲の問題だと思うのだが、どうもツボをおさえていない感じで、 うまくいかないし、アイデアもでないし、手もすすまない。 こういうときは何をやってもだめ。しゃぁないな、今週、参考文献あたるか。 (問題となっている積分の変形と本質的に等価なものを議論している 論文の見当はついている。)
4月27日の日記に、非双曲系のシンボル化の数学について「今度、九大数学の石井 さんにゆっくり聞いてみよう」と書いていたのだが、日常生活に埋没して書きっぱ なしのままだった。この記述を読まれたのか、石井さん本人から、その周辺の数学 の進展を教えてくれる mail が届いた。今週に down-load して読みはじめよう。
8/23 (土)
あまり楽しくはないが、いつかはやっとかないといけないと思っていた、拡散係数 の表式のスリム化に本格的にとりくむ。夕方、だだーというキャンセルする組み あわせをみつけ、論文に書いても恥ずかしくない程度の表現にはなった。ただし、 もっとも簡潔であろう Reiman らの先行研究の結果にはまだ届かず、夜は ずっとにらめっこ。
8/22 (金)
朝、諸事の処理。午後、夏休みの宿題のtexノート書き。証明をやってよかった。 前のversion よりずっと簡単な議論になった。
8/21 (木)
よいニュースやら、期待をもたせるニュースがとびこんできて、縁起がいい 始動日になった。(が、委員会仕事は「失敗」がひとつ。)
川崎さんと論文構成のうちあわせをする。ついでに、今後の短中長期的研究計画 を議論する。色々でてくるので実に楽しい。もちろん、目先の未解決問題をや っつけることを忘れてはいけないが。
林さんと論文構成のうちあわせをする。ついでに、今後の短中長期的研究計画 を議論する。色々でてくるので実に楽しい。もちろん、目先の未解決問題をや っつけることを忘れてはいけないが。
大槻君に「区切りをつけて」論文をまとめるようにはっぱをかける。
夜は、さいださんから送られて来たノートを検討し、コメントを送る(予定)。
8/20 (水)
早朝、東京に帰ってきたが、今日まで休暇届けをだしているので、休暇続行... というわけではなく、いつもと同じような生活にもどる予定。(疲れて休むこと を想定して、休暇届けを一日余分にだしたのかもしれない。)
tilted periodic potential 中のブラウン運動に関する H-S III a 論文で提示する 新しい関係式の証明:休暇中の宿題のひとつであったが、なんとか方針はたった (と思う)。今日中に細部もつめる。生に式を並べると、とても手をつけれる気が しなかったので、結局、「とぶ」路線を追求していた。計算方針をかえて、色々な 量に微分易動度が最初からあらわれる枠組をつくった。そうすると、微分易動度と 拡散係数の比 Θが、別の測定量の比でかけることがすんなりでてきた(と思う)。 平衡近傍の場合、Θが温度と一致する、というのが FDT であるが、定常系の場合、 Θは温度ではない。この意味でFDTは成り立たないが、Θはマクロな量を議論 するとしょっちゅうでてくる重要な量になっていて、実際、別の測定から決める ことができる、というのが論文の主結果である。(階層移行を前提にすると、 Θはその階層での温度に対応することもわかる。)
もうひとつの宿題(1+1次元のsymbolic dynamcis とエントロピー) は、手を動かさ ないままだった。頭の中で考えたことはあったが、メモとってないので、今となって は何を考えたのか復元できない。今週中には再スタートをきりたい。
船の中では、driven lattice gas (DLG)を考えていた。H-S III a と DLG の外場 平行方向のSST(=裏SST とよんでいた時代もあったっけ) には対応があることは わかっていたので、H-S III a の結果をうけて、DLG 裏 SST について、議論を すすめることができるはずで、その具体案を練っていた。H-S III a は 特定の Langevin モデルの解析であり、「測定量を通じた新しい関係式」という精神 だけはSSTと通じるものの、表面的には SST と無関係である。しかし、ひとつの 進歩は、別のところに波及していくのである。
8/17 (日)
H-S III a で提示する「新しい関係式」の証明にとりかかっているのだが、 全然みえてこない。「とべる」と思っていたあるやりかたには穴があり、 真面目な式の羅列をみているとくらくらするばかりで、とても関係式がある ように見えない。物理として期待する描像はちゃんとあるし、数値積分では 2本の曲線がかさなっているのだがら、成り立っているのとは思うのだけど。 うーん。休暇中の宿題という意識でいるから、集中がたらないのかもしれない。
8/13 (水)
自分らが問題設定して、自分らが計算して、自分らがみつけたことだとしても、 その位置付けを正しく理解するのにしばらく時間がかかる。tilted periodic potential 中のブラウン運動を例題にした「非平衡定常状態での測定量間の 新しい関係」(H-S III a) に関する論文の構成を昨日林さんと議論していたのだが、 まだその位置付けを正しくみえてなかった。だから、「有効温度の有用性のデモ」 という間違った発想がでてきたし、それにともなう混乱もあった。たぶん、 今日で全てクリアーになったので、林さんが核心部分を簡潔に論じる Letter の論文草稿書きにはいる。1週間後には、僕も、技術的なことを self-contained に書いた regular paper の草稿書きにはいる。研究開始前には想定していなかった 未来につながることの報告なので、論文を書くのが楽しみである。
H-S I と同様に「非平衡定常系における新しい関係式発見」がテーマだが、今度は 数値実験ではないので、もめごとの要因は少いだろう。すんなり掲載されるといい けどなぁ。(まだ論文のかけらもないのだが。) その H-S I は、4人のreferee からのべ6通のレポートとeditor からもコメントをもらった。昨日、 最後の指摘(?)が届いて、速攻で林さんが対応して送り返したので、おそらく もうすぐ掲載受理になるだろう..。
明日から1週間、東京を離れる。昨年は、何もかもだめな状態で1週間休んだので 「完全休養」にした。(で、帰りの船で、ポテンシャル変化法のアイデアを獲得する。 これは、H-S I の「鍵」だし、今度の H-S III a の論文にも顔をだす。) 今回は、 わりと楽しい気分で東京を離れるので、宿題をもって帰ることにし、その題材を 選ぶ。
ひとつは大自由度系の周期軌道展開に関すること。山田さんの乱流数値実験での 発見でもっとも驚くべきことは実は山田さんの論文にかかれていない! で、最近は この理解を目指していたが、なかなか難しい。(おもに川崎さんの結果を聞くばかり ではあるが。) これは試行錯誤が必要なので、東京を離れてはできない。そのかわり、 1次元空間にひろがった大自由度力学系の1+1次元 symboic 表現をつかって、 エントロピー関連の話しを整理したい。6月頃に川崎さんが予想をたてて、数値 的にも、もっともらしかったが、実は違っていた。(川崎さんには申し訳ないけれど)、 僕としてはほっとした部分もあって、このテーマはKomatsu-Sasa の延長上に 位置するのだから、自明に解決されては困るのだ。しかし、数学として非常に簡単な ところまできているから、何とかできる気がしてならない。ちょうどよい宿題だ。
もうひとつは、H-S III a の技術的な整理。核心部分の新しい関係式だって、数値 積分したら一緒になっているだけで、証明はまだだった。拡散係数もReimann らの 先行研究の結果と数値積分したら同じになるけれど、証明はまだだった。不遜な いい方だが、関係式が提示されたあとで、その証明をできる人はたくさんいるから、 僕がしなくてもいいようにも思うが、自分らで閉じた方が綺麗だし、整理も兼ねて やっておこう。う..H-S II のように小数点以下5桁目で微妙に違うってことが ある?? まさか...ね。やっぱり気合いいれて証明すべきか。
8/12 (火)
昨日の林さんの数値実験の結果は、原理的には摂動計算でも議論できるはずで、 面倒かと思ったらそれほどでもなさそうなので、ちょっと手を動かしてみる。 あれれ?
8/11 (月)
午後にさいたさんが駒場に議論にこられるので、朝から放射のにわか勉強をする。 放射と非平衡の絡みについては、考えたことがなかったので新鮮ではあるが、 自分の感覚としてまだよくわからない。議論は、形式的なことでもうまくいったら、 何かあるぞ、、という動機づけは与えるかも.. ということをお互いに納得した。
生態系の人口動力学のBECへの変換による解析、という臨時セミナーがある。 鮮やかな解析で、関連する実験の論文の紹介もスマートだった。
tilted periodic potetial 中のブラウン運動で、「有効温度」の実際的有効性に かんするデモのひとつとしてやっていた林さんの数値実験が、思った数値に近い ところにきている。これで安心してまとめモードにはいれるかな.....。
8/10 (日)
昨日やった作業は、「発見」というのではないけれど、色々なことを考えさせて くれるようで、朝の散歩でもいくつかのアイデアが頭をよぎった。そのうち1分 でできることを散歩から帰って計算してみる。ふーん、ということだけでもりあ がらなかったが、まぁ、そういう風に今までとは違うことを具体的に考えれる ようになったのは、非常に楽しいことである。(周期軌道アンサンブルを自由に いじれる大自由度力学系を知っていて、かつ、その自然なアンサンブルを計算 機に中で実現させているのは、世界で川崎さんと僕だけだろうしな。その行為の 意味は現時点ではわからないけれど。)
今日は今週〆切のある文書を書くつもりだったが、どうもいかん。文書関係は7月中 に全ておわらしたつもりなのに、先週突然にやってきた。2時間集中すればできる 程度のことだが、気分的にそこに焦点をあわせることができず、結局、中途半端 な時間をすごしたあげく未完。
8/9 (土)
大自由度力学系における1本の不安定周期軌道の役割:(ある)1次元格子結合 写像系モデルにおける不安定周期軌道の「自然な」アンサンブルは、1+1次元 格子のスピン系の平衡統計力学に帰着できる。ここで、1+1次元格子のスピンは、 もとの大自由度力学系のsymbolic 表現になっており、1+1次元のハミルトニアン がわかれば、すくなくとも数値的には(モンテカルノで)統計力学がわかることに なる。川崎さんが今扱っているモデルでは、このハミルトニアンがちゃんと求め れる。これを使えば、山田さんらが乱流研究で見出した知見の理解を深めることが できるはずで、実際、川崎さんが着々と前進している。
今日まで僕は手が動いてなかったので、いっきに周期軌道アンサンブルをつくる ところまでおいつこうとした。モデルの振舞を正しく理解するのに時間がかかり、 1+1次元のハミルトニアンを書き下せたのは夜になっていた。(あんまり自信が ない。) あとはこいつをモンテカルノにかけて、振舞の正しさを確認すれば、 今日やろうとしたことの半分がおわる。おおお。
25時、やろうとしたことの半分が終了。やはりハミルトニアンが間違っていた ので、絵をいっぱいかいて訂正し、小さい系のテストは無事に終了する。 物理を議論するには大きな計算がいるようだが、気分的に面白くなりそうな 予感もする。
ありゃ、計算途中でビール3本投入したら、風呂上がりの分がない。。
8/8 (金)
朝おきてすぐのアイデアは大学にいく途中でつぶれた。苦しいのう...と 思いはじめたとき、かすかな光がみえた。(早川研のセミナーで林さんが しゃべった) E という係数(= 誰もおぼえていないだろうし、メモすら とってないだろうけど)は、積分がごちゃごちゃしているのだが、数値的には 微分易動度という量とぴったり一致している。これは非自明な関係だし、 これで筋がつくれるかもしれない。林さんが独立に計算している量も 同じ値をはじくと、ひといきつけるのだが。
8/7 (木)
書類を書いて、階層移行の問題の論点を林さんと議論する。僕が用意していた アイデアでもっともよさげだと思っていたのは瞬間につぶれた。夜のうちに またひとつつぶれた。
8/6 (水)
tilted periodic potetial 中のブラウン運動の階層移行(H-S III a )でのたうつ。 とにかく論点を列挙して整理する。
8/5 (火)
川崎さん、稲垣さんと議論したあと、部屋の掃除をする。今年の夏のテーマは「床」 である。(昨年の夏は机の上の論文整理。) 夕方までかかって、大量のゴミをだし、ぞう きんがけをする。あと、「棚の整理」を秋休みか、冬休みにやると、随分とすっきり するのだが。
普段しないことをして異常に疲れてしまったところで、(佐藤に招待された)水口が 院生室にいたのでビールを飲みにいく。
8/4 (月)
tilted periodic potetial 中のブラウン運動の階層移行(H-S III a )の現状が 気にいらない。もう一度、色々な観点から整理する。今までの解析に吸収できなく て、任意性の残らない可能性がある試みがいっこ残っているな... 。 さて、どうしよう。
大自由度系の周期軌道展開に関して、新幹線の中で気がついたことは素朴で単純な ことだが、発展性があるような気がする。とくに、宙ぶらりんになって久しい Komatsu-Sasa / Sasa を前にすすめるように思えるので、ぼちぼち考えはじめる。
8/3 (日)
完全休養...のつもりだったが、気になることがあって、午前中は計算の見直しを する。午後はプール。クロールで500メートル泳いだが、もう長女について いくのがしんどい。ばててベンチにすわって考え毎を2件。
8/2 (土)
早川研主催のミニ研究会が10時からあって、冒頭に早川が喋ると聞いていたので、 10分前にいったのに、何故か予定が変更になっていて、10:30の河原君の 発表からはじまった。
河原君(九州中西研D1)は、3次元非弾性MDの直接数値実験の結果を fluctuating hydrodynamics や運動論の考察をまじえて議論をしていた。未知のものに対して 数値実験と理論計算の両方から攻めるこのような研究はもっともっと増えて欲しい。 個人的には、fluctuating hydrodynamics と運動論 と MD の記述限界のうつり かわりをvivid にみえたらもっと嬉しい。今日の現象では、fluctuating hydrodynamics でかなりいける...ということだが、そこでいける部分に 焦点をあてつづけると、深みにいけない気がする。
昼休みは、たつみ君(東大佐野研M1)と色々と話をする。ころがり摩擦に関する 問題点を複数の空間スケールから議論する、、というのりに話の焦点をあわせた。 つまるところ、階層移行にともなうエネルギー論ですなぁ...ということなんだが、 午後の林さんの話は、Langevin 記述の階層移行に関することなので、そのまま 関係していた。
午後に林さんが発表した研究は、土壇場まで色々な可能性を模索していて、 結局、一意に絞れないまま今日を迎えたので、内容的には「あれ」が限界だった。 バリエーションは色々ある。例えば、上位階層での FDT、つまり、 T_eff=T をみとめたときの力のくりこみがどうなるか... そのときのFDT はどういう意味 の原理であるか.... 他の可能性としてどのようなものたちがあるか... このあたり の整理が混乱をきわめていたので、ひとつの可能性として、「摂動ポテンシャルが 粗視化された構造に影響されない場合」についての力のくりこみを議論するに とどめたようだ。そういう意味で、まだ中途半端な状況だが、それでも発表その ものは、丁寧に準備していたと思う。(細かい不満はいくつかあるが、 それは仕方ない。)
うらべさんの1/f揺らぎの話は学会のときに聞いたものから少しデータが増えていた。 現象の発見から機構特定に至る途中過程だと思うが、まずは完璧なデータを揃えて、 筋書きに関するアイデアを毎日だしてつぶすことかな。。。f^{-α} のスペクトル でαが1 から2まで連続的に変化しているので、さてさてどういう機構だろうか... と、ちょっと新幹線の中で考えはじめて、東京につくまでに答えをみつけてやろう と思ったが、どうも僕は基本的に巾が嫌いなようで、考えることがすぐにかわって しまった。(すまん、うらべ。)
で、新幹線の中で考えたのは、金曜日に山田さんから宿題としてだされたこと だった。あれ? 単純なアイデアでいけるのでは?... と思い至り、帰宅して速攻で 川崎さんにmail を書く。
今回の出張は、全体的に非常に有意義だった。贅沢に時間をつかって自分の 研究をすすめつつ、原田君、金君、山田さんと密接な議論をし、河原君の まとまった話を聞いた。一番の成果は、原田君にレーザートラップの実験 装置をさわらせてもらったことかな。Langevin の式をみても、あの装置の イメージで捉えることができるようになったのは、感覚的に無茶苦茶大きい。 こういうタイプの出張をもっと増やせればいいなぁ。
8/1 (金)
数理研の山田さんところで大自由度系における周期軌道展開の議論。 得たことが多く、川崎さんと「よーし」という気分になる。
7/31 (木)
原田君ところで議論。レーザーの細かいことを教えもらい、レーザー走査を実際に さわらせてもらう。ピンセットでつまむことすらうまくできないが面白い。 感覚も皮膚にねづいてきた。。実験でみていることの解明は遠いけれど。
非平衡定常状態でBBGKY からの希薄極限に関するフシキさんからの宿題の 答えを金君に教えてもらう。
朝、まちなかを歩きながら、ときどきコーヒーを飲みながら計算する。simple ratchet 関係の混乱は全て解消。ただし、いちばん大事なところは切り離された 恰好になってしまった。
7/30 (水)
移動日。新幹線の中もホテルでもずっと計算する。