2/28 (金)
朝、渋谷のドトールで、非平衡格子気体で.... って昨年の2月28日と日記と同じ でだしでだな。詳細つりあいが破れたときの密度場の定常分布をみようとするとき、 密度場ρの他にρと "共役" な密度場 φを導入するのがいい。こういう路線の 考察は馴染みがあるので、最近の話しと絡めて一挙に紙に書こう... といきたかった が、紙をだすまえに時間切れ。
夜、3000 粒子の結果をうちだす。(みている時間範囲では)、板間に綺麗な 斥力が働いているようにみる。来週、今度はこの系の板をトラップさせて浸透圧を はかることにしよう。
同僚と晩御飯をたべながら、講義構成の面白い例や教育的な例などの話しをする。
2/27 (木)
夜、720粒子の結果をみると、孔をあけた長時間後の板の運動はよくわから なくなっている。色々な原因が考えれるが、、とりあえず、孔をあけた直後に 焦点をあてて、粒子数を増やす方向にする。
夜、粘菌の上田さんの話しの概説を院生たちにしていたら、内部自由度をつかって 環境の揺らぎの影響を抑えることを積極的に体系化するための理論的玩具 をつくりたくなってきた。2年半前にそういうことを計画していたが、何もし ないままだった。(今月はじめに、熱流誘起秩序とかやっていたが、あれは むつかしすぎた。拡散流誘起秩序あたりにして、それをつかえばいいのでないか? 今や 粒子系を数値実験するのは容易にできるのだから。) 実験も生物物理実験は あるが、別に生物である必要はない。物理系や化学系でも実験の設定可能で、 かつ、個別論を越えた話しはまだない今だからこそ、(個別例をみながら) 一般的なことも考えれる気がする。
2/26 (水)
剛体球中の平行温度板の運動:うまくいってないのに色々な可能性があるのは自明 なんだが、その本質的な部分をあてるべく、電車の中で想像する。渋谷につく頃には 最有力候補をひとつにしぼりこむ。1行だけプログラムを書き直して、壁の 物理的条件を少しいじり、720粒子のテストランを走らせる。おお、これは 綺麗だ。明日は、この3000粒子版を走らそう。
化学ポテンシャル差で駆動されるLattice gas: 定常状態の熱力学がつくれるか どうか、という形式的な話を越えて、このクラスのモデルで何がしめせたら楽しいか、 ということを明示的にした問題設定を林さんと整理する。 前の話し(Hayashi-Sasa)の延長ではなく、白紙に近いところからの試行錯誤なので、 まるっきりはずしている可能性もある。 前の話しの延長として確実にやれることはまだたくさんあるのだが、そういう 確実にできることだけを続けるのもはりがないし、これはこれでいいか。
きっとあちこちで話題になっているだろう「πが3.05より大きいことをしめせ」 という問題: πは3でないことをしめせ、という問題だから、笑ってしまった 人も多いだろうな。しかし、問題自体はjoke でなく良問だ。20分でもっとも 厳しい評価をせよ、という風に出題意図をよみとれれば ( = よみとるのは受験技術だろうが)、自然な道をまっすぐいけば答えに 到達できるので、その道がみえるかどうかを問うており、選抜試験の 問題としてもいい線をいっているように思える。また、πの本質ともかかわりながら、 時間さえかければかなりの高校生が解答できるから、受験と無関係に 授業等でもとりあげて欲しい。
2/25 (火)
報告書案を速攻でかいて、長かった今年度末の諸仕事のおわりがみえてきた。 来週月曜でおわる予定。
DLSの厳密解をつかって、SST(Oono-Paniconi 流)の構成を試みる。厳密解の特殊性 をつかってかなり綺麗なかたちにもってこれるのだが、あと一歩か。エントロピー をシャノンにあわすと維持熱の(式の表現は美しいが)物理的解釈がもうひとつわから ない。維持熱を物理的なものにしてまともな状態関数が定義されえるかどうか、 という問いにかえたが、算数上みえてこない。こういう試行錯誤で物理的にも 式の表現でも気持のよさそうなものに到達したら、厳密解からはなれて、 (摂動や数値実験で)一般化の検討をしたいのだが、そろそろ頭が飽和してきた。 明日、頭をクリアーにして見直そう。
剛体球中の平行温度板の運動:3000粒子のテストランで、板たちのブラウン運動を 抑えてみえてきたのは.......。さぁて、どうしよう。
2/24 (月)
熱流誘起浸透圧による平行板運動:板のブラウン運動を小さくしないと はじまらないので、粒子数を増やす。とりあえず 3000 粒子のテストラン。
Derrida-Lebowitz-Speer の仕事に関係して、2001年秋の自分のノートをとりだして 眺める。同じ頃のChris からのmailを発掘して読み直す。前者は、よくもまぁ強引 に筋を考えたものだと感心したが、堅実な積みあげながない。さぁて、どうしよう か、というところから。後者は健全に「意味があるかもしれないもの」を具体的 に計算してみせているので、放置していたのはまずかったな。会議の途中に手を 動かして、愚直に式を書いていくが、閉じた式としてまとめれる代物とは 思えない。うむむ?
とりあえず強引に摂動計算すればなんとかなりそうではある。Lattice gas world での長距離部分の局所平衡からのずれの感じをつかんで、短距離部分の局所平衡 からのずれとの関係を探りたいのだが。
2/23 (日)
剛体球多体系の中の平行温度板の運動プログラムのマイナー変更版をいくつかつくる。 最後の最後は揺らぎとの闘いになるだろうが、その前に色々なチェックをすまそう。
2/21 (金)
御手洗さんのセミナー。「軟体球を硬くしていくときの特異性のあらわれかたに ついて」 面白いところをいっているのだが、それをバシーとつかみとるとこまで いっていないことに不満もある。粉多体系特有の問題提起ができる可能性も あるので、基本的には好きな話しである。(自由冷却で類似の考察をすれば、もっと クリアーな側面を抽出できるとも思う。)
2/20 (木)
連続体力学採点終了。現代基礎科学評点集計終了。教務書類原案終了。
温度TのLangevinで駆動される孔のあいた可動仕切り板と温度T'のLangevinで駆動 される孔のあいた可動仕切り板を弾性壁に閉じ込められた剛体粒子系の中にほぼ 平行におく。(熱流一定の調整はせずに、温度は固定パラメータ。) 昨日から 流しっぱなしにしていた720粒子系のデータをのぞいてみる。うーむ。予想に 反して引力か? もちろん、まだ全然信用ならない。検討しないといけない論点 が山のようにあり、片っ端からつぶしている途中ではあるが。
仕切り板に孔をあけるのでなく、仕切り板と容器の壁との間に隙間があるデザイン も動かしはじめる。隙間がたっぷりあって、容器が非常に大きい場合は、normal stress difference のせいで、引力になるはずで、隙間を小さくしていくと、孔あき 板と同じになって斥力になる、と予想していたのだが....。
2/19 (水)
昨夜寝る直前まで悩んで、今日と明日の大沢さんのセミナーにはいかずに、処理 すべきことを処理することにした。全部こなすのは体力的に限界を越えそうだから。
統計力学採点終了。得点上位4人のうち3人が○○というのは、偶然にしては低い 確率だなぁ。他学部(理学部物理2人や薬学部)の学生が講義を受けにきてくれていた ようだった。
採点の合間に、孔あき可動板モデルの試行錯誤にはいる。たくさんのチェックを並列 しておこなうために、job 記録をつける。(普段はつけない。基本的に頭に全部いれる 方が性にあっている。)
2/18 (火)
朝、書類提出。今週中にやるべき残りの書類処理の時間を見積もると14時間....
今日のところは事務仕事を忘れて、午後から研究をする。目玉親父を最後に分子 の工夫をあきらめ、系の設定を再考していたのだが、だいたいの方針が固まった。 孔のあいた可動壁で熱伝導系と平衡系をつなぐことにする。局所平衡ならこの壁は とまるが、現実は、熱伝導側が大きくなるようにゆっくり動くはず。ただし、 壁で温度ギャップやら化学ポテンシャルギャップやらが生じてとまることも ありえるが、こうなったら定常系の熱力学関数構築のためによいデザインでは ないので、試行錯誤で動く壁をつくらないといけない。こういう試行錯誤を 可能にするために、わざわざ動く壁の配置にした。まぁ、見た目も派手だしな。
早速、その原始版をつくりアニメで観察。大学ではプログラムが正常に動いている ことを確認したが、どうも家では異常終了する。計算機依存性がある、というのは よくないので、何としても寝る前につぶすぞ.........お、なんとまぁびっくり するくらいの初歩的な虫がいた。(大学でまともに動いていたのが不思議だ。) これで安眠できる。
2/17 (月)
午前、統計力学試験。昼ごはんをたべながらが教務関係のやりとり。 午後、熱伝導実験をやっている学部生と議論。統計力学試験の採点と教務関係の書類を 明日の午前中までにやっつけないといけない。(統計力学に関しては、 合格に達しなかった学生に追課題をだすので急ぐのだ。)
2/16 (日)
朝、枕元の落書をみて考えはじめる。
(物質Aの)熱伝導状態に種類の違う粒子Bをいっこいれると、一方向的に駆動される ブラウン運動が実現する(場合がある)。粒子Bのアンサンブルを考えると、 粒子Bの理想気体と背景のA物質の混合流体になるので、そのスケールで 連続場記述を行うと、先週の試験問題のようになる。これはブラウン粒子の アンサンブル記述とみなせるから、粒子1個のランジュバン記述にうつると、 粒子に働く実効的な力がわかり、背景の温度勾配に比例する力が駆動力をあたえる。 (もし線形非平衡熱力学の適用範囲なら、係数はG-K なんだが、さてさて。) このブラウン粒子を細い領域にトラップすると、その領域を境にして、 圧力差が生じる。(圧力差は駆動力できまる。)
ここで、背景の熱伝導状態に関してだけ連続場記述をおこない、 細いトラッピング領域を接続境界にすると、熱流一定、圧力とびの状態が実現する。 連続体記述では局所平衡を前提にしているので、背景場が流れない条件として、 接続流域での温度のとびがないといけない。
以上は、FIOのように新しいことをいっているのでなく、(定量的にはともかく、定性 的には)、既存の体系で記述できる現象である。しかし.... と以下膨大に続く 独白があるが省略。[ちなみに、FIO は、トラップしたブラウン粒子たちを通じて 系の外に熱を流し 接続の両側で、熱流差あり、温度差、化学ポテンシャル差なし となるような接続をあたえたときの圧力差を問題にする。局所平衡では圧力差は ゼロにしかならない。FIOに関する等式の成立から拡張された熱力学関数 の構築につながっていく。]
2/15 (土)
金曜日の夜に院生室でいっていたことの半分はまるっきりナンセンスだった。 熱流や拡散流のスケールに応じた見え方のちがい、というのは重要な論点で あることにかわりないが。
2/14 (金)
朝、連続体力学試験:200点分の問題から(ノート・本もちこみ可で)選択して答えて もらう。100点を越えたら100点にするつもりだったが、100点以上は いなかった。講義ではやっていない混合流体の基礎方程式系を講義でやった 単純流体の基礎方程式系の論理に沿って導出しましょう、というのが そのうちの100点分。その小問のひとつが、混合流体の熱輸送方程式を 導出せよ、というもの。単純流体ならえいやぁと直観でかけても、混合流体では直観が はたらかないので、計算でだすしかないであろう。 火曜日に僕がやったら計算間違いの連発で時間内にはできなかったが、 計算のとくいなK君はさすがにできていた。(その上の問題は間違っていたけど。)
昼、山田さんのセミナー:main topics を聞くのは3回目になるが、 半年に一回くらいきくと思い出して、理解も少しづつ深まる。
夕方、会議。内職で教務の仕事をしてたらもってきた内職仕事が予定よりはやく おわってしまったので、福田氏の日記(2/11)にあった 算数の問題を考える。 うーー。こっちからしらみつぶせばそんなに手間はかからない.....が、これでは 方針がすぐにわかったとしても30秒や1分では無理だなぁ。 もっとうまい方法があるのかな。[布団にはいったら模範解答(?)もわかった。 しかしなぁ....この解答は恰好いいが、しらみつぶしの方が自然だろう。 負け惜しみか。 負け惜しみの続き まで書いてしまった。]
会議後、研究の方向性について最近考えていることを、院生室にいた院生に きいてもらう。派手なのはだめだったので地味目にいくが、単に精度をあげる だけの研究はしたくない。話しをしてたら、なんとなく面白くなってきた。
2/13 (木)
科研費経理終了。試験問題作成終了。数学辞典担当分(熱力学)草稿脱稿。 事務 mail をいくつかおくる。KISS。
地味路線にもどるが、この機会に頭の整理をかねて、熱力学関数の存在に 直結する現象は FIO しかないのかどうか再検討。
2/12 (水)
連続体力学と統計力学の試験問題をつくる。今年はなぜか、試験日の最終日から ふたつ(今週金曜と来週月曜)が僕の担当科目にわりあてられていて、2月仕事が だらだらと尾をひく。
昨日の夜つくった目玉親父を2個にして(意味なく)観察する。たしかに面白いが、 力学系的には、15次元エネルギー面上の運動だから、まぁそりゃそれくらいの ことはあるか...内部自由度と並進自由度のエネルギー移動についてあれこれ 考えるが、明確な論点を絞れない。ちょっと情けないが、できないときは仕方ない。 こういう論点設定は、ある日突然思いつくものだ。
とにかく、みため路線はひとまずあきらめた。ちょうど2週間あがいたことになる。 (各種審査/会議/事務処理が混んでいて、まとまった時間がとれなかったので ちょうどよかった。) モデルもたくさんつくった。物理量の時間変化は平衡系と 定常系では定性的にちがうし、空間パタンの相関も違うようにみえるが、 平均値の違いが大きくなる量をもつモデルはついにつくれなかった。 これ以上の試行錯誤は不毛なので、地道路線にもどって、 熱流下の状態方程式の確定からやろう。(目玉親父集団やtrimer集団の 状態方程式はみてみたい気もする。)
2/11 (火)
あきらめわるく熱流秩序発現モデルの探索からはいるが、朝いちのアイデアは 全然面白くなく、途中から周期境界をいかしてdriving をかける。ほう、やはり こちらの方が局所平衡からのずれは大きそうだなぁ。どういう風に研究を展開 しようか...というところで夕食時に「伊東家の食卓」をひさしぶりにみる。 お、風船の中にスーパーボールをいれたときの不規則運動がとりあげられている。 早速、影響をうけて、赤球のなかに青球をいれる。よっぱらった目玉親父の集団 がふらふらとぶつかっている。今までで一番気持ちが悪いな。(平衡状態で既に 気持ちがわるく、熱流でどうしたこうしたではないので、何をやっているのか わからん.. というのは冷静な意見であろう。)
昨日は電車で菅原さんとあって、人工膜の中にDNAをいれる実験の話しを聞いていた し、大きな球の中に小さな球を10個くらいいれたらいい、と林さんは1週間前 からいっていたから、伊東家の食卓だけの影響ではないかもしれないが。
2/10 (月)
てきぱきと事務処理をするが、mail の返事がかえってこないので、思うようには すすまない。夕方、佐藤氏に「熱流誘起秩序」の話をしたら、「生物は熱流なんか つかっていないから、きっと効率が悪いんですよ。」というこたえ。 どうやら、cell を読んで問題点(不満点)を列挙していくセミナー を企画しているらしく、すっかり生物中心の見方をしている。
2/9 (日)
朝、起きたときに、熱流誘起秩序の問題が激しく難しいものだ、という 漠然とした雰囲気がわかった気がした。何もせずに、ぼーと方向性を模索する。
2/8 (土)
昨日の茶碗谷との話しの最後の方で、固化したときの対称性の破れ方に熱流の影響 がでるのでないか、、という指摘がでて、剛体球系での非流動相の hexagonal packing の向きの非系統的な観察を30分くらいやっていた。その影響で、 今日は、dimer 系やらを(ある種の)annealing でゆっくり固化させて、 最終パタンの熱流の影響を観察していた。うーむ。うーむ。うーむ。
2/7 (金)
6時半におき、午前中に各種書類の処理。あと2週間くらいつづくかなぁ。 昼すぎに茶碗谷がくる。アニメをみながら夕方の会議まですごす。 (昼食時にみえたかもしれない、といっていたことは幻でした。そういう 揺らぎがあらわれるけどある寿命で消える。昼食に同席した人ごめんなさい。) うーむ.....だめだなぁ。
2/6 (木)
修論発表審査。博士進学試験(口述)。待機中に、k-mer モデルの改良。
2/5 (水)
博士進学試験(筆記)。待機中に、k-mer (k=3, loop; k=4, full connect など) の観察。うーむ。なるほど、平衡系での重率もなかなか難しい。帰りの電車で、 これでいくべぇ、、というのを絞りこむ。プログラム化に数時間くらい必要 なので土曜日かな。(先週末からの試行は全て30分以内でプログラムが書けた んだが...) これで極性が大きくでなかったら、k-mer 路線はあきらめる。
2/4 (火)
朝の電車、内部自由度のモデルを色々と考える。駒場につくころは、結局、trimer でいいのでないか..という凡庸なことにおちついた。(一発勝負で)パラメータひと つを選んで、アニメをみて、極性の具合のデータをとったが、今日のとことは大きな 極性なし。うーむ。
帰りの電車。連夜の電車トラブルにまいる。ぼーと内部自由度のありかた を考えるが、みえてこない。
2/3 (月)
dimer で大きな極性はでないので、k-mer にする。linear k-mer (k=4, 8)は、 熱流方向にのびているようにもみえるが、はかってみないとわからないし、 どうもいまいち。はじめてみるので面白いのだが、何か感じがつかめない 振舞である。polymer は平衡でもややこしいのだ。自称超多忙な佐藤氏が 暇そうにしていたので、部屋につれこんで、熱流で大きな極性がでそうな 分子モデルにいいアイデアがないか聞いて見る。
電車の中で、k-mer をぐちゃっとつぶすことを考え、家でやってみる。内部自由度 をもって形をかえる球たちがハードに衝突する感じだが、みていて気分がわるくなって きた。プログラムとしては、linear k-mer もこれらも同じ仲間である。このあたり の細工で大きな極性がでないとしんどいなぁ。
1/31(金) 〜 2/2 (日)
木曜の夜に考える。いまの剛体球モデルで、頑張って精度をあげていけば、 学会までには、熱流誘起浸透圧の存在を確信して主張することくらいはできる であろう。しかし、この系では、熱力学関数の存在に直結する定量的な関係の 検証は(僕が)数ヵ月のオーダーでできるものではない。前者だけでも地道に データをとるか.... どうも面白くない。問題の本質は、熱流があることによる 新しい力を明示することだから、それを派手にみせるのが楽しい。それなら、 分子に工夫をこらして、目でみてわかる路線にすすむべきでないか... 下手したら不毛な試行錯誤の山になってしまうが、僕のすきなのはこっちだ。
今や 球をk-mer につないで、そいつらが2次元空間内でぶつかるようなプログラム を書くのは容易にできる。内部構造に一旦エントロピーをためてぶつぶつ... どうも すっきりしない。そもそも dimer 多体系の振舞も完全にみきってなかった。
金曜日、各種作業の背景として、dimer 多体系のアニメを流す。(富山の)田中さん がきていたので、アニメをみてもらう。高分子のエントロピー力の類推でのコメント が妙にひっかかり、いちじは、polymer (= k-mer k >>1 ) でいこうか、、とも 思ったが、布団にはいっておちついて考えると、ちがう。田中さんのもうひとつ のコメントとして、こういう風に dimer が揃っているのでは? という指摘があり、 いわれてみればそうにも見える。定量化すればいいのだが、定量化が簡単ではない 揃いかたなので、すぐにはしない。色々なサンプルをみていると微妙な感じだ。
悩んだすえ、当面の焦点のおきどころを、「熱流による polarity の存在が目でみて わかること」にした。熱流が生じたら、色々な統計量の reflection symmetry が破れているのは自明だが、分子内構造として、reflection symmetry の破れが わかるようなモデルにしたい。しかも、統計量なんぞ測らなくてもアニメでわかる くらい大きいのがいい。polarity が大きければ、熱流浸透圧が大きいのは確信して いるので、浸透圧測定の前によいモデルを探すべきだ。で、土曜/日曜に dimer 多体系の変種モデルを大量生産する。
2001年の5/9の日記に書いた「熱素と反熱素が断熱棒でつながっているよう な揺らぎ」に相当することを頭で精いっぱい想像したり、紙に絵をかいたりいて、 片っ端から思い付くアイデアをプログラムにしていく。アニメをみるたびに、 娘たちは「テントウムシ!」とよろこび、妻は「何、このダンス?」と笑うが、 一向に(目でわかる)極性はでない。寝る前にやっとそれらしいものがみえてきた 気もするが、疲れ果てた上の幻想の可能性もたかいな。