1/31 (金)
今週中に処理する予定の書類関係はひといきつく。
1/30 (木)
KISS: 大腸菌をつかった遺伝子の変化と選択に関するゆらぎの話 (佐藤氏)。 丁寧な話でよかったのだが、肝心のデータをみせてくれないのでイライラ したまま講義のため退出する。退出してから、山場があったらしい。
連続体講義最終回:
しまった。今日でないとできないことをひとつ忘れてしまった。。。
1/29 (水)
明日の連続体講義で、音を出さない穴 "dumb hole" を議論する予定である。できる 限り初等的な議論で閉じさせるつもりだったが、勘違いがあって物理的意味が不明 な特殊な条件を使ってしまっていた。修復をあれこれ考えるが、 うまくいかないので、ベクトル解析等で知っているかもしれない公式をひとつ使う 妥協をする。その路線で収束しかかったら、またまた欠陥があった。一般論でなく、 最初からラバール管の例題での計算という方針でいたのだが、何故かうまくいかない。 W.G. Unrhu の原論文と比べ、(とりあえずの)解決する方策はわかったが、 完全には納得できていない。
1/28 (火)
統計力学講義最終回:総復習。風邪気味でしんどいが、8件の処理事項を 順にやっつけていく。
1/27 (月)
連続体講義:つっかえながら、ラバール管での(定常超音速流を含む)流速 パタンの分析まで。 最終回は木曜日。
1/26 (日)
連続体講義の準備:先週の圧縮性流体の基礎につづき、(i) ラバール管での (定常超音速流を含む)流速パタンの分析、および、(ii) その定常流のまわりの擾乱 の伝搬について。(あと2回かかるかなぁ。)
(i)は、断熱管の入口と出口に圧力差をつけて(入口で速度がゼロの)流体をながす とき、管の途中で超音速流をどう実現するか、という話し。単に圧力差を大きく しても超音速を実現できないのが面白いし、流速パタンの分析も物理的なので 楽しい。[多くの流体の本に書かれていることだが、自分が納得する説明を つくるのに時間がかかった。]
ところで、超音速流が管の途中で実現するとき、音波は上流から超音速領域 に伝搬するが、超音速領域から上流に伝搬することはない。「音」を「光」に おきかえると、まるでブラックホールである。 (ii) では、この類推をすすめて、 ラバール管の定常流のまわりで擾乱の伝搬を議論し、「(特異点をもつ)まがった 時空上の波動伝搬」の式に書き直す。 光を出さない穴である"black hole" に対応して、音を出さない穴 "dumb hole" とよばれる。 W.G. Unrhu の話しだが、 相対論やリーマン幾何を全くしらないことを前提に、ラバール管に限定して具体的 な座標変換でベタに計算する。
実は、非平衡性がミクロな領域まで影響をおよぼして、その記述が第一近似から 問題になりそうな現象は何か? というのを冬休みにぼーと考えていて、"dumb hole" を思い出した。本当にそうかどうかはまだわからないが、なかなか楽しそうな 題材ではある。---- すぐに思いつく疑問だけでも、たくさんあるし。
1/25 (土)
朝、カオス系の符合化に考えをめぐらし、放置したまんまの Sasa-Komatsu の話しを 再考する。なんとなくまではいいが、やっぱり肝心のところが灰色のままだ。
ハミルトン系による熱流誘起浸透圧:うーむ。一回の試行の計算に時間が かかりすぎで、試行錯誤の連発で筋をつめれない。ストレスが溜る。
1/24 (金)
講義:いつもの癖でボルツマン定数=1として計算してしまっていて次元が狂う。 最後にあわせればいいと宣言して、すぐにあわしたのだが、よくないな。。
最近の違和感についての考えがやっとまとまる。今月上旬の結果を、 local steady state がとりだせていない、と解釈していたのが間違っていた。 Sasa-Tasaki の変更案まで考えていたのだが、"go ahead" 状態になる。
1/23 (木)
KISS: 数自由度位相結合系の多重アトラクター間の準静的操作による状態遷移: あわず君らしい独自の視点での面白い話。(具体的な対象や物理的意味 や科学としての価値はまだわからないが、未来の可能性を感じる。)
寺前君のセミナー:実験の紹介を聞いたときに、「finite size fluctuation による noise induced transition でいけないのか?」というようなことを 聞いたら、そのまんまだった。もちろん、具体的な発火モデルで明示的に 示したことに(しっかりした)価値はある。
会議。疲れて講義準備もできず、明日の早朝にまわす。
1/22 (水)
数学辞典改訂稿をいじくり、各種文書の作成し、jobをとばし、悩む。
データとしてこけているわけではないが、本質的に間違っている気がしてならない。 その気分を明示的にすべく考えこむ。
1/21 (火)
いばさんの集中講義。統計学の混乱する部分と基礎的な部分がまじったもの。
1/20 (月)
連続体講義もあったし、いくつか仕事もあったし、モンテカルノの諸方法の概略は 研究会等でラフには聞いたし、いばさんの集中講義はやすむことにする。と、 連続体講義が終ったころに、Neel-Jarzysnkiの話をやるから...という連絡(よびだし) がくる。Neelは、(時期的には)Jarzynki 等式がでたすぐあとくらいに、統計的計算方法 のひとつとして、(Jarzysnkiとは)独立にJarzynski等式(の一般的 なもの)を提案していたらしい。いうまでもないが、証明は同じ。ただし、 自由度が大きいとき、重みが異常になってくるので、そこは統計学の別の 手法(再サンプリングなど)とくみあわせるらしい。
再サンプリングの方法など頭にかすりもしなかったので、Jarzynski等式が現実の 計算方法として役にたつとは全く思ってなかった。現実的に使えるかどうかは 今のところわからないので、試行錯誤中らしい。
ハミルトン系による熱流誘起浸透圧:熱流が大きいとか小さいとか、何にくらべて、 かを明示しないのはいかん、といつも学生にいっていることを自分にいうはめに なる。。。。
1/18 (土)
レポート等:今日の予定(最低限)は日付変更前に終了。数学辞典草稿は さわる時間なし。
ハミルトン系による熱流誘起浸透圧:やっと試験サイズから、想定していた最小 サイズ(粒子数400)に移行ができた。[接触領域のふるまいがまだちょっと 気になるが.] 振舞をまともにさせると、(定性的には)Sasa-Tasaki のとおりに なることに変化なし。このあたりからスケーリングがとれるはずで、定量的な話しに 少しづつ近づけれるはずだが...[このあたりからスケーリングにのらないなら、 僕の手に負えなくなる。]
1/17 (金)
各種書類等を順調に消化する。残ったのは数学辞典草稿だが、調べる べき言葉の調査は終了したので、週末に改訂稿をつくろう。
ハミルトン系での熱流誘起浸透圧:local steady state らしきものがあって、 ちゃんとした接触ができていれば、定性的には、Sasa-Tasakiと矛盾なく振舞 うのだが、モデルをいじるたびに、接触が不具合になったり、local steady state が壊れたりする。(今のモデルだと漸近極限がとれないことが判明したので、 モデルをいじりはじめた。) 各個別例について、原因を想像して調整を試みる も、まだわからんことが多い。
1/16 (木)
KISS:行田君によるCollatz写像とビシービーバー問題:Collatz写像とは、 自然数 x に対して偶数なら x/2, 奇数なら 3x+1 をかえす関数である。 初期値 x_0 をかってにあたえる(たとえば、x_0=7) 。この写像を実行していくと、 7 -> 22 -> 11 -> 34 -> 17 ->52 -> 26 -> 13 -> 40 -> 20 -> 10 -> 5 -> 16 -> 4 -> 2 -> 1 -> 4 -> 2 ->1 ..で、4-> 2 -> 1 のループにおちる。 いろいろやってみると、x_0 に対して、変な数字列をはじきながらも、 最後には、4-> 2 -> 1 のループにおちるようにみえる。どんな数字から はじめても 4-> 2 -> 1 のループにおちるかどうか、というのは、 かなり大きな数字まで反例はみつかっていないが、数学的な証明はない。 Fermat と違って、数学的に重要な問題ではない、といわれているが、 重要性と無関係に、この数字の動き方が面白いと思ったので、1日か2日 はまって考えてみたこともある (メモリーの限界に応じて、数列を計算する プログラムも書いた)。行田君の話は、この写像をビシービーバー問題に 埋めこめるということなどの紹介だった。たしかに、埋め込んだあと、そのTMが universal であることをいえれば、素晴らしいが。
1/15 (水)
いばさんの集中講義:誤り訂正符合のノイズに対する強さと解読の難しさは いかにもありそうな話しではあるが、両方をうまくみることの気分はよくわからない。 (わかったら楽しそうなので考えたい。)
小さいサイズでの熱流誘起浸透圧の定性的振舞はSasa-Tasakiのとおりになってきたと みなして、定量的関係の是非を検証するステージにすすむために、local steady state での漸近則を抽出する方法を考えはじめる。
1/14 (火)
名大R研立川君のセミナー:「不規則にみえる極限周期運動」。昨年と同じく heteroclinic cycle 結合系で新しい力学系的現象をみいだした、という内容。 (解析ができていないので、発表をためらっているらしいが、力学系的現象を 整理するだけでも発表する価値があると思う。) 最小玩具モデルは、 heteroclinic cycleとは無関係にできそうな気がしたので、電車の中で うつらうつら頭に描いてみたが、いまのところはさっぱり見えてこない。 こういう発表を聞くと嬉しくなる。
これから50日くらいは、(例年よりは楽だが)、この時期特有の用件がたくさん はいっている。とにかくひとつづつ用件をつぶすしかない。体調も完全に 戻ったので、再起動だ。
ハミルトン系の熱流誘起浸透圧:謎のデータひとつを除いては、だいたい良い 方向に収斂しつつあるようにみえるが、全部がすっきりするにはもうすこし 時間がかかりそう。頭の中にプログラム改良案が複数あるのだが、今日の ところはてつかず。(背景で圧力異方性検出プログラムも書くが、なんかおかしい。)
1/13 (月)
金曜日午後あたりから体調悪かったのだが、夜にダウン。昨年4月、病院にいくのが おくれて、扁桃炎が悪化して長引いたのにこりて、すぐに病院にいくことにした。 土曜午前に地元の病院にいくと90分待ちの状態だったが、辛抱して待つ。今の はやりのひとつらしい「腹の風邪」らしい。みてくれているおじいさんのお医者 さんは、治るまでの日数と(熱の下がりはじめ、腹んよくなりはじめ等々の) 経過をいつも予測して大体ただしいのだが、今回もピタリだった。 (薬をのんで、指示を守っているのだから、そうかもしれないが。。)
この連休中に数学辞典の改訂案をつくる予定だったのだが、昨日までそういう状態 でなく、いまはまだ気力がない。他にも仕上げるレポートをもってきたのだが延期。
ハミルトン系の熱流誘起浸透圧は、布団の中でも考えたり、おきて job をとばしたり していた。 一見よさげなんだが、何か違和感を覚える。その原因を調べるために、 新たな物理量をいろいろとる。はて。解釈がついていかなくなってきた。 なんだろうな....これは。
1/9 (木)
温度差が小さく熱流が大きい定常系をきりだして、緑の膜で平衡系とつなぐ。 ちょっと時間がかかるが、ぎりぎりの許容範囲というあたりの設定を探して、 仮試験をする。
夜、明日の講義の準備。今まで明示的に意識したことなかったが、 デバイ温度ってプランク定数が関わるのに「常温」なのか。
1/8 (水)
昨日の浸透圧実験は、local steady state が実現していないところでみていた のだから、 local steady state をつくるようなパラメータで愚直にやればいい のだろう。(概念的には、並進対称な系でない熱伝導系の local steady state というのがまだ完全にはしっくりきていないのだが。)
田崎さんとの議論。(SSTがみえていない、とか。) 大信田さんとの議論。 (蛇行の最初の不安定性とか、乾燥破壊の記憶とか。)
1/7 (火)
昨年の1月に書いた講義ノート「熱力学とランダムネス」に関連して、いくつか 未完のまま放りなげた課題があった。そのうちのひとつは、complexity とシャノン の対応を示すBrundnoの定理を complexityのcomputable versionに拡張して示すこと だった。たちのいい力学系だと KS エントロピーがLyapunov 解析で計算できるの だから、そういう量はきっとあるはずで、漠然とした方向性はみえていたので 何日か(うつらうつら)ノートを書いていたのだが、どうにも途中で山がそびえて いてあきらめた。今日、4月からのカオスの講義の準備のひとつとして、だだだー とdown-loadしておいた論文のひとつをみていたら、予想していたのと似たような 主張が証明されていると書かれているではないか。歴史や証明の詳細 はきちんと調べないとわからないが、それなりの歴史と最近の進展があるようだ。 [もっとも非自明な部分の証明は2000年の論文をみよ、、となっている。]
この定理があるなら色々と考えたいことがあるので、楽しみがひとつ増えた。
この論文を手にとったのは、ハミルトン系によるSSTが真っ暗で、気分転換の ためだった。最近は「熱流誘起浸透圧」と「熱流のつくるみための秩序」 の2本だてですすんできて、系の設定はもう万全に近い。浸透圧はたしかに存在 するのだが、Sasa-Tasaki が書いたのとは違うものである。(どう違うのかひとこと ではいえない。) みための秩序を生じさすモデルはあるのだが、熱流がつくる というより温度差がつくる秩序である。(似ているけど違う。) 半ばやけくそで、 やらせに近い立場で見ため路線を追求していたが、どうにもいかん。 考え方をがらっとかえようか... という気もちらちらする。苦しいのう。
1/6 (月)
粒子自体を異方的にしてやれと、「双子球」のあつまりにする。正月早々の会議を はさんで、ひといきに圧力測定まで書く。見ためは色々とあるが、浸透圧に影響 なし。「双子球」に細工をいれても、見ためはかわるが浸透圧に影響なし。
う-----------------ん。
と書いて、考えこんで、風呂にはいって、多くの可能性を検討して、ひょっとしたら いう道があったので、寝るまえにもうひとつだけ試行する。
1/5 (日)
軟体球SST:いい膜ができていない。データだけではよくわからないので、pgplot を 家のノートパソコンに install する。 make 一発でなかったので混乱したが、 (不完全ながら)とりあえずアニメがみえるようになった。
ぐにゃぐにゃする緑の膜をぐらぐらする赤玉がくぐるアニメをみていたら、長女が 「これで何がわかるのか?」と聞いてきた。どのように答えればいいのだろう?
1/4 (土)
夏に続き悪天候での船旅になった。ずっと横になっていたが、夏のときのように、 何かが急にみえるということもなかった。
軟体球 SST:帰省直前までやっていたことの続きを計算させておこうと大学の 計算機を覗くと、(M論だのK論だのの〆切があるからか)、研究室の速い CPU 10個分が全部うまっている。その次のクラスのCPU を使おうとしたらなぜか エラーがでる。(自分のノートパソコンではちゃんと動くのに。。) 原因探索は 月曜日にするとして、over-loadになるが速いCPUを使わせてもらう。
SST は、当面、軟体球で熱流誘起浸透圧の定量的検証を行うのが第一課題だが、 平行して考えるべき重要な課題は、大域的なもの(DLS変分原理とか FH 記述とか) とSSTとの関係である。船の中でもあれこれ頭に浮かべたが、家についてから ファイルをさがすと、未完成の考察ノートに書いている以上のことはなかった。 type-I とtype-II の関係や excess heat からはいる構成法との関係も気になるが、 これらも、結局、local - global の視点がぐらぐらしているのが、 ネックに なっている気がする。
カオス:4月からの講義の方針をおおらかにきめた。1次元写像や分岐から入らず、 物理的な設定での典型的なカオスを(4年の自分が科学の深さの一例として感動できる ように)丁寧に追いかける路線ですすむことにした。早速、準備その1を開始するが、 先は遠い。
1月1日 (水)
人ひとりいない神社に家族にでかけたほかは外出せずにぼーとすごす。 (普段考えないことも含めて)色々なことを背景で考える。