6/29 (土)
大学院入試説明会のため大学にいく。研究室の説明を web page にちゃんと書け、 と学生に指摘される。ごもっともだ。いつかやります。今年は間に合わないな。 質問に答えるだけの無愛想な応答なので、学問的な質問がなけれはすぐに終って しまう。(去年の日記 01/06/23 をみると、「来年からは、こちらがいうべきこと を準備しておくか。」と書いているのに、まるで生かされていない。)
学部セミナー(stability of matter)の準備でクーロンエネルギーの評価をする。 ごてごての物理的考察は時間切れであきらめて、Lieb-Oxford '81 の下限の証明 を電車の中でよむ。学部3年までに習う程度の道具で証明しているのでフォロー はできる。(解析の練習として学部セミナーの題材として丁度よい。) くそ。 こんな簡単に証明できるのだったら、簡単な理解の仕方があると思うが。
6/28 (金)
長距離相関の実験の論文を読んでいて、自分の誤解に気がついた。このような誤解 を避けるためにも、長距離相関に関して、実験とモデルの仮説と計算の仮説と計算 結果とミクロとの関係を各平衡性毎に整理したレビューが必要な気がする。review はいくつかあるのだがどれも不満だ。長距離相関のブームは1980年を挟む数年 だが、Derrida-Lebowitz-Speer の影響からか、最近過剰にうるさいので、事情を整 理すると喜ぶ人は多いかもしれない。(わこう君あたり挑戦しないかな。誰か既に 着手している可能性は高いが。)
で、長距離相関+SST揺らぎの理論からKawasaki-Gunton を理解する試みはふりだし に戻った。(熱伝導系での圧力の外場に対する非解析性はまだ正しいと思っている。)
6/27 (木)
大槻君と中村君に力学系記述縮約の質問をうけた。縮約には、隷属原理(= 数学 でいう、中心多様体理論)と力学変数のとりかえ(=数学でいう、標準形理論)の ふたつのステップがある。後者の考え方(精神)がわからないという質問で、具体的 に変数の選択を複数示した案をもってきた。非常にもっともな質問で、計算技術を 鵜のみにするのでなく、「わからない」ところを正しく「わからない」と見出すの は大事なことだと思う。
僕の考えは全部伝えて宿題をだした。
1次元空間の拡散方程式を考える。ただし、拡散係数$D$は空間座標$x$に依存し、 $D(x)$は周期 a の周期関数とする。t=0 で原点に局在させた分布は時間とともに ひろがっていく。周期 a より十分に長いスケールでならしてみると平均的には 通常の拡散のようにひろがる。この実効的な拡散係数 D_{\rm eff} を求めよ。
D_{\rm eff}は D(x)の平均ではない。結果は美しく、レポート用紙一枚で求まる。 多重尺度法でもイリノイRGでも解けるが、力学変数のとりかえ(=標準形理論)の 典型例である。
6/26 (水)
朝、計算機の計算が終っていないのでプログラムをみるとバグだった。プログラムを 書き直して計算させているのだが、深夜になってもまだ終っていない。おかしい。 落ち着いてパラメータ値の確認を完璧にしてから実行すべきだったか。
来週の学部セミナー(stability of matter)の準備をはじめようと論文を睨む。 クーロン相互作用がはいったときのエネルギーの評価だが、今までより難しい。 証明を追うまえに、自分の頭と手を動かしておかないと感じが掴めない。
小さい外場領域であらわれる謎のピークに関して大雑把な考察をする。 カレント vs 外場の線形領域でも、物性 vs 外場の関係は激しく非線形なんだ。
ふー。事務書類原案終了。この数日で結構な量のタイプをしたが、今週開始予定 だった論文改訂作業は手つかずのまま。僕が僕の指導教官なら、「論文改訂には 最優先でとりくむように。」というところだが、自分には甘い。研究の区切りの 問題があるのだけど。
6/25 (火)
最近たくらんでいるKawasaki-Guntonの再導出は次の論理にたっている。まず、 SST揺らぎの理論を仮定する。SSTさえ認めればきわめて自然なものである。 実際、driven lattice gas の数値実験では、つめの段階にはいっており、 もはやこれが壊れることは考えにくい。ただし、厳密には、非平衡特有の 長距離相関のために、密度揺らぎは発散する。driven lattice gasで理論的 に予想している発散は弱い(= 対数発散)ために、この発散を数値的に検証 するのは簡単ではない。しかし、理屈としては、系の大きさを大きくすると 揺らぎの等式が成立しなくなる。
この発散は流体モードからくるので分離すればよい。しかし、分離の仕方は自明 ではない。物理的なカットオフを導入するのが第0近似の考え方であるが、カット オフのとりかたで揺らぎの値がかわるので、揺らぎの関係式の意味がなくなる。 このあたりの明確な答えはまだわからないが、オーダーや次元の評価は物理としてで きる。その結果、カットオフに外場依存性がはいってきて、密度揺らぎが外場に 対して解析的でなくなって、Kawasaki-Gunton になる...というのが想定している 筋である。
ずりの場合、長距離相関のあらわれかたは、fluctuating hydrodynamics で記述 できるはずなので、密度揺らぎの発散の仕方をそれで見積もることができる。 どうもうまくいかないので、今日の昼に、積分をきちんと書いて漸近評価を試みた。 ある項がゼロになることがわかれば、ずり系の密度揺らぎの発散+SST揺らぎの理論 +物理的カットオフ= Kawasaki-Gunton になることはわかった。ゼロになって 欲しいその項がゼロになることを示すのはしんどそうなのでやめたが、Dorfman のレビューを読むと、まさに欲しい形の密度揺らぎの相関関数が書かれているでは ないか。既に誰かが計算しているはずなので、それをカンニングすればよいだろう。 (ちなみに、80年前後に長距離相関に関する結構な数の論文がでているのだが、 それらの論文では、僕がゼロになって欲しい項がゼロにならずに残っている ような主張にみえる。)
近いうちに文献を探してカンニングして、筋をきちんと書いてみよう。 理論的に面白いのは、「カットオフを恣意的に選はずに、発散を正当に処理すると、 SST揺らぎの理論がきちんと成立するように流体揺らぎの異常成分が分離できること」 を示すことだろうが、これはまだ途方もない。
化学ポテンシャルの精密測定に入る。林さんの試行がうまくいきつつあるからである。 僕は「え、、それはチェックしたはずなのに...」、と狐につまれた感じもするが、 僕の計算でもたしかに悪くないので、精度をあげて確認することにした。
6/24 (月)
学部セミナー(stabiity of matter):Lieb-Thirring. 発表者は徹夜で準備したらし い。簡単でない箇所が随所にあるので、次回に少しもちこし。技巧的ではあるが、 学部生でも攻略可能だと思う。来週がさらに大変になる。証明や計算をきちんと フォローしたからといって物理がわかるわけではないが、こういうフォローを 積み重ねるのは決して無駄ではない。
とはいっても、非平衡圧力の外場に対する非解析性を主張するKawasaki-Gunton の 計算をフォローする気には全くなれない。計算せずに、土曜日にみえたアイデアに 沿って物理を考えて、描像を微修正する。今日のところは、圧力の非平衡分は外場 の絶対値の(kawasaki-Guntonの)3/2乗でたちあがるのでなくて、外場の絶対値の1乗 でたちあがる。(常識的な答えは2乗でたちあがる。)
実験はないのか?.. と探すと、nanometer thick filmの実験がでてきた。前から気 になっていたやつだが、ありゃ、ガラス化と降伏応力の関係がLangevin動力学で議論 されている。まぁ、自然なことではあるが...
6/23 (日)
朝、宿舎の除草。午後、学部セミナー(stabiity of matter)の準備として、 Lieb-Thirringの証明の細かいところまでフォローしておく。物理的な理解の進歩はない。
密度揺らぎの小さい外場での振舞をみる。外場ゼロ極限の正しい振舞を捉えるためには 系の大きさを無限にしないといけないことをほぼ納得した。平衡の臨界点ほど過激 ではないが、似た側面がある。 密度揺らぎのデータは 80 x 80 くらいまではとれる ので、異常領域のサイズスケーリングを数値的にも議論できるだろう。
6/22 (土)
Kawasaki-Guntonの背後にある物理がみえた気がする。論文そのものは意味不明な計算 の山だが、Kawasakiさんの非自明な結果はいつも正しかったので、もし本当なら物 理的説明があるはずで、それをずっと考えていた。実際に手を動かして確認しないと 確定的にはならないが、現時点ではかなりいいと思う。同じ機構はdriven lattice gas でも働くので、非解析的でもいいような気がしてきた。
うーぬ。速攻で計算したが、Kawasaki-Guntonと指数があわない。どこかから巾を ひとつだけおちてくればあうのだが... driven lattice gas のfitting は悪くは ないが、こちらは精度がまだ悪いからなんともいえない。
お?林さんの予想があたっているのか、僕の化学ポテンシャルのデータも よくなってきた。
6/21 (金)
講義などのあいまに履歴依存の話をもうちょっと追求する。
driven lattice gasのデータをもういちど並べてみなおして論点を整理する。 (林さんも僕も)まだデータは粗いが、外場=0で非解析的な可能性が高い気 がしてきた。そうすると化学ポテンシャルも丁寧にとってみる価値がある ので、もっとも素朴な非破壊測定で外場依存性の探索にはいる。
6/20 (木)
KISS:ニューラル搭載の移動体をつかった「おいかけっこ」の役割転換のモデル。 「おいかけっこ」の役割転換という現象に興味をもっていたので、楽しめた。 そういうことが成立する条件が明示的になると面白い。生観測データもみたい。
太田さんのセミナー(本郷):「ミクロ的非平衡云々」と要旨にあったが、関係は なかった。太田さんに会いにいった目的のひとつは、Kawasaki-Gunton に関して 意見を聞きたかったからで、太田さんの答えは 、「おかしい。」7月の基研研究会 には川崎さんや土井さんがくるので、関連することを聞けるよい機会なのだが、 日程が悪すぎて参加できない。
履歴依存性とcomplexityに関する美希予想:complexityに漸近的に等価なはずの 計算可能量というのが曲者で、状況によっては全然はずしてしまう自明な例がわ かってしまった。complexityそのものは計算不能量なので、そこをまともに考え ていくと泥沼にはいる。「一発芸」のデモだけつくって退散かな。
6/19 (水)
履歴依存性とcomplexityに関する美希予想:基礎データとして complexity(に漸近 的に等価なはずの計算可能量) vs エネルギー のグラフを生成するプログラム をつくる。このあたりは誰かがやっていてると思うが、文献調べるより自分でやった 方がはやいので朝のうちにプログラムを書いて仮データをとる。ここからが勝負 なので想像力と知識と論理的思考を目一杯働かせて天井を睨む。
少しみえてきたように感じた。裏付けをとるために、(無限に安定固定点のある)決 定論的力学系への準静的操作での固定点の移動をエネルギーとcomplexityで追跡する。 あれれ...予想とは違う。瞑想のしなおしをして続きは土曜日かな。
driven lattice gas の大きなサイズの結果がでていた。どうやら有限サイズ効果で なく、小さい外場の極限で流れに平行な圧力成分は異常にふるまう。なんのこっちゃ。 Kawasaki-Gunton と同じようなことが起こっているのか、小さい外場の極限でも 引き算をきちんと考えないといけないのか、そもそもおかしいのか、まるでわから ない。
6/18 (火)
履歴依存性とcomplexityに関する美希予想がきになったのでノートを書く。面白い そうで意味ありそうだけど、もやもやしている。面白くない落ちの可能性をノート に書いておくったが、僕の考察がまだ甘いようだ。初歩的な事実をまだ把握してい ないので、1時間で数値実験のプログラムを書く。動力学がきちんと動くことと転 移点をまたぐと不可避的散逸があることの確認はすます。complexityに関係した ルーチンは既にもっているが、まだ使い道を悩んでいる。
20年前の6/18に原付免許の試験におちた。そのせいか、京大の創立記念日は ずっと覚えている。
イタリア v.s. 韓国:唐辛子をまぶしたようなスタジアムの雰囲気と韓国選手の 激しさとタフさと執念に驚いた。6/18だし、この試合は記憶に残るだろう。
6/17 (月)
学部セミナー(stability of matter): (対称性に制限がない)波動関数のクラスの エネルギー最小値と対称波動関数のクラスでの最小値が同じこと。いよいよ来週 から、みっつの定理 (Lieb-Thirring; Lieb-Simon;Lebowitz-Lieb)に突入する。 学生がすごいいきおい予習をしているので、夏休み1、2回の延長で消化でき そうな感じである。面白いし僕もかんばって予習しよう。
みきちゃんのD論草稿が完成したようなので、事務的な手続きにはいる。事務的な話を しにいったら、講義ノート「熱力学とランダムネス」に関連 したことをD論の最後にちょっとつけくわえているらしい。アイデアをきいた瞬間 「素晴らしい!」と思ったが、よく考えると色々わからない。(議論しにいったら いない。) 最終的にそのアイデアが生きるかどうかはわからないけれども、この 講義ノートの例題研究をはじめようと模索をはじめていたので考えるのにちょうど よいタイミングで嬉しい。
6/15 (土)
昨夜やりなおした計算結果もまだ雰囲気がよくない。流れに平行な成分の物理量を 過激な方法でみているので、有限サイズ効果が大きいのかもしれない。系の大きさ をかえてデータをとってみる。本来、もっと先にすべきだっだかもしれないが、 小さいサイズでよい兆候がみえないと大きなサイズで計算する気がしない。
体調が悪かったせいか、lattice gas系のSST探索はかなり弱気になっている。示唆的 な関係式はいくつかみつかったものの、全体を貫く像がはっきりしないままである。 [これらの関係式が SSTと無関係に存在するとは思えないのだけどなぁ。] とにかく、 今やっている小さい外場での計算結果に納得いったら、みつかった関係式だけに焦点 をあてて、lattice gasに関する研究をまとめながら、新たな題材に向かおう。
学部セミナー (stability of matter) の準備。物理ぬきで、積分不等式(Sobolev, Minkowski, H\"older) の単純な応用だけで多自由度系の運動エネルギーを下から 抑えると、自由度依存性が本質的に違ってくることを確認せよ、という練習問題を 解いておく。何も考えずにできる問題のはずなのに、途中で愚かな穴におちこんで 時間をくってしまった。
6/14 (金)
金曜の講義は、14:40から16:10までである。出席者半減かな、、と思った ら、2割から3割減くらいだった。熱力学の講義は一回逃すと、次回から厳しくなる ので、学生さんも講義出席を優先したのかもしれない。ラジオを持参した学生もいた が、他人に迷惑かけないならいいではないかと思う。
その昔、阪神が日本シリーズで優勝したとき、某講義の補講とかさなった。講義にも でたかったし、阪神の優勝にもたちあいたかった。で、ラジオを耳にさして「ながら 講義聴講」をしてしまった。ただし、いつも以上に講義にも集中したせいか、今でも その講義風景を覚えている。小さくガッツポーズをしたら、九後さんに「阪神勝ち ましたか?」といわれてしまった。[ QCDくりこみ可能性の(オーダー by オーダーの 意味での)フルオーダーの証明だったはず。]
最近のデータがおかしかった理由がひとつわかった。想定していないパラメータ値 になったまま漫然とジョブをとばしていた。集中力を欠いたまま計算してはいけな い、、というお手本だな。最近のいくつかの計算はやりなおし。
6/13 (木)
KISS:森田君。部分系を励起したときの異常緩和。現象は昨年から聞いていること で面白いと思うが、機構の解明には至らず。修論審査のさいにコメントした、モデ ルの特殊性(臨界点近くの負の比熱の存在)でないか、というのは違っていたようだ。 臨界点の存在だけが効いているわけでもなさそうだし、いったいなんだろう。
細々ととっていたデータを並べてみるも、「おかしい」のひとこと。今月にはいって どこかにバグでももぐり込んでしまったか..と思い、夕食前にもっとも最近に動かし たプログラムを読む。
体調不良が続くので最低限の仕事だけをしてよく寝ることを心がける。
6/12 (水)
寝込むほどではないが、体調がよくない。鼻をぐずぐずいわし疲れをひきづる。 毎年梅雨どきはこんな感じで、会議にでても他の教官の顔色もよくない(ように みえる)。最低限だけのことをして早く寝る。
6/11 (火)
古沢君のセミナー:遺伝子発現の分布とそのモデル化。実験のことをよくしっている 講演者が生データの解析を行った研究なのでわかりやすいし勉強にもなったし刺激も うけた。その前後は会議だったし、夏バテが続いているので、driven lattice gasの 変なデータをぼーと眺めただけで終る。
布団にはいってから、学部セミナー(stability of matter)の準備。当面の課題は、 多自由度フェルミオン系の運動エネルギーを下から抑えること。1体の場合、 もっとも標準的な不確定性による議論では、穴ができてしまうので、Sobolev不等 式型の不確定性原理の表現で議論する、というのは既におえた。このタイプの不等式 のN体versionを証明したのが、Lieb-Thirring, 1975 である。 証明そのものは 理解可能な範囲だが tricky で、ピンとこない。(証明の細部はまだ完全には つめていない。) こういうときは超初歩的なことからはじめる。
問題の不等式は、「空間を箱に分割し、箱の中に決まった数の自由フェルミオンがあ るとせよ。それぞれの箱で、エネルギー順位のしたから順番にうめていくときの運動 エネルギーを考え、その総和をとると、それが系の運動エネルギーの下限を与え る。」と(ラフには)解釈できる。これは気分としてはわかりよいので、まずこう 解釈できることを確認する。
しかし、数学の議論としては、箱に分割するという段階で難しい話しになってしまう。 Lieb-Thirringの証明では、このラフな話しを数学にするのではなく、N体波動関数か らきまるあるポテンシャル中の自由フェルミオンの解析をおこない、半古典近似で得 られる情報を数学として厳密化する。
ラフな議論の描像と厳密な解析の描像の関係をおさえたいが、まだわからない。 空間分割のラフな議論ときちんとした解析の関係は、'stability of matter' だけの 問題でなく、色々なところで顔をだす。カオスで相空間の分割を考えるのはもっと も直感的だし、driven lattice gas でも、相関長より大きいところでブロックを 考えるのは思考実験でも数値実験でも常套手段である。ところがこういう箱分割の 話しは、論理的な流れにのせるのが難しい。カオスの場合、(Sinaiらによってつく られた)分割の数学が完全になっている部分を越えて自分が考えようとすると手も 足もでない。 非平衡定常系を遠くからみるときに、ある普遍的な測度がみえてく る、、というのがSSTの最終的な到達点だろうが、それを直接的に議論の土台にの せる手段がない。もっと古典的な難問では、BBGKY階層を遠くからみたときに流体 方程式がみえることはほぼ間違いないはずなのに、(厳密な数学でなく)理論物理の レベルで手掛かりすらない。(* 粉体の連続体記述が容易でないのは粉体特有の 事情だけではないのである。) ....長くなった。
6/10 (月)
stability of matter: 問題の核心を理解しきっていないので、清水さんとの歩き ながらの会話でしどろもどろになった。Rev. Mod. Phys. 48 553- (1976) も down- load してよみはじめる。初歩的な理解がまだ不十分なのでちょいと手を動かそう。
金子研Mの中間発表: つめれば面白いものが埋まっていそうな柳田君の話と展開 していけば面白くなりそうなほんじょう君の話。
基礎データの地道な採取。
6/8 (土) 〜 6/9 (日)
3月の応力研で吉森さんにSSTケルビンの原理に関してコメントされたことに対する 見解をノートに書いておく。夏バテ気味なので、あとは寝ながら考える。
6/7 (金)
暑いなかの講義でかなりばてる。
6/6 (木)
KISS前半:会議でおくれて途中からになったが、大槻君が"spiral crack"の論文紹介を していた。spiral も crack も研究テーマにしていたときがあったが、"spiral crack"とは。。単純に不思議だ。(その研究以外にも話をしたいこともあるし、) 台湾 に議論しにいこうか、、。
KISS後半:林さん。佐藤氏の「おさずに圧力がわかる」という議論に一瞬だま された。池上さんの、それぞれの向きに制限したSSTがあるのは理論としておかしい のでないか、というコメントがでてきたので、もしSSTが本当だとしても、 はるか先にある SST-I とSST-II の合体が...ということをいわざるを得なくなった。 想像がつかないので、なんのことかわからないのだが。( その手前で確定させたいことをさっさと確定させるのが先だし。)
お茶かい:中江君が計算過程と熱力学について喋る。Landauer-Bennetを受け入れ て、さらなる類推を働かせると... という話。非常に面白かったが、きっかけを つかむだけでも数年のオーダーが必要だと思う。
夕方、バトミントン。
6/5 (水)
昨夜の小さい外場の計算結果をみる。納得できない点が多々ある。consistent になるまでまだまだ時間がかかりそう。
作戦をたてていたら、第4の関係式が成り立ちそうだ、とのmailが林さんからきてい た。この関係式が本当なら非常に大きい。僕がかって調べたものと本質的に同じはず だが、定義そのものは違うので僕もプログラムを書く。今日のところは確認できず。 ただし、粒子浴ルールの問題を把握したので、追求する論点はふえた。
6/4 (火)
朝、昨年8月のノートを読み直す。いい線いっているのに放置していたのはもったい ないと思いながら読んでいたが、ここから先が難しいことをやっと思い出した。
昼、夕方6時に帰宅できるように、集中して複数のプログラムをかく。こんな時刻 に帰宅することはほとんどないが、帰ってきた甲斐はあった。夜に昼の計算結果を みると、最初からやりなおせ、となっていた。慌ててプログラムを書いてもだめだ。
6/3 (月)
学部セミナー (stability of matter): 水素原子基底状態へのSobolev不等式の応用。 解析力学等でなじみのものとはちょっとだけ違う変分問題の扱いをおさえれば、あと はベータ関数の練習になる。そこでも登場する、量子力学的な運動エネルギーを密度 分布でおきかえるという、Thomas-Fermi 理論 というのは、物理としてどういう考察 で得られたのだろうか。この理論の重要性をだんだんわかってきたので、数学的な証 明とは別に気持を掴みたくなった。1927年のFermiの原論文は言語的に読めなさそう だから、同じ年のThomasのを入手するか。 (他に何かいい文献はあるのかな? Lieb の RMPのは知っているけど、 それよりもっと原論文的に忠実なもの。)
driven lattice gas: 流れに平行な圧力成分の流れに2次までの寄与なら、小松君の アルゴリズムで計算できるはずなので、揺らぎやら流れやらを全て外場に関して展開 していく。ご苦労さんとしかいいようのない計算だが、揺らぎの等式以外の証拠が欲 しい。
randomness : 昨年の夏に書いたtechnical noteを打ち出して再考を開始し、冬に 書いたランダムネスのノートの改訂をめざす。(ついでに、2年前に書いた論文の 改訂もめざす。)
(さっきみきちゃんから聞いた) これ を リンクしておこう。本堂さんの専門は熱物理学になったのか....
6/2 (日)
長女の運動会。
6/1 (土)
休養。