5/6(日) おまけ
超幾何関数には、92年の今ごろ関わっていた。その当時、1次元反応拡散系で位相 特異点を持つ解の安定性を考えていた。トポロジカルには安定ではないこの代物が、 (力学的に)安定になりえるのでは?という示唆が90年頃にあって、強引な対角化に よる数値計算もではじめていた。ところが、 それらの結果がくい違う。そこで、まじめに安定性の問題を定式化したら、行列係数 の超幾何微分方程式がでてきた。普通の場合と同じように、級数展開をつかって、 (Mathematicaで)固有値を計算し、その特異点をもつ解が安定であることをはっきり 示した。ささやかな仕事であるが、「行列係数の超幾何微分方程式」の解たちを もっと追求すれば、多成分超幾何関数論とかできるかな、とふと思ったが、いくら なんでも趣味が違うのでやめた。(そういうのないのかな?)
「1次元系での位相特異点の安定性」については、その事実を示唆する論文がでるよ りずっと前に、自分自身の数値実験を介して、その問題設定はしていた。学生当時、 論文を書く癖がなかったので、決定的な結果を得るまで放置していたら、数値実験 による示唆だの、強引な対角化などの数値計算がではじめた。だから、個人的に、 はっきりさせたい問題のひとつだったので、ちょっとむきになって、論文まで書いた。